パーソナルスペース~虹の絵を使って考えよう~
「友達や先生にすぐに抱きついてしまう」など、他者との直接的な触れ合いが多いお子様に対して、「友達が嫌な気持ちになっていないかな?」「大きくなってもずっとこの距離感で人と関わるのかな…。」と不安を感じる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
藤沢第2教室では、他者との適切な距離感を知ってもらいたいお子様について、人や動物のパーツを実際に動かして考える活動を行っています。
目には見えない距離感を視覚化することで、どんな立場の人とどのように関わることが適切であるかを知ることができます。
今回はこの活動についてお話したいと思います。
パーソナルスペースとは?
パーソナルスペースとは、個人を取り囲む空間のことで、目には見えませんが感覚として他者に侵入されると不快に感じる距離が存在します。
不快に感じる距離は他者との関係性によってそれぞれ異なります。
また、パーソナルスペースの範囲も個人によって異なります。一般的に、親密な相手(家族や恋人など)とのパーソナルスペースは狭く、警戒している人や敵視している人に対するパーソナルスペースは広くなります。
パーソナルスペースは主に4つの区切りに分けられて定義されています。
- 密接距離…ごく親しい人に許される空間
- 個体距離…相手の表情が読み取れる空間
- 社会距離…相手に手は届きづらいが容易に会話ができる空間
- 公衆距離…複数の相手が見渡せる空間
虹の絵を使って考えてみる
パーソナルスペースの4つの区切りを色別にして、虹の絵で考えるという方法があります。
お子様にとってわかりやすく、自分との距離感を色で理解することができます。
このように、虹の絵の上に人や動物のパーツを並べていきます。
自分は中心となる紫色の部分に配置します。
最初は人物との距離感を視覚化することが難しいお子様もいらっしゃいます。
その場合には、虹を使った分類の仕方を身につけるため、動物を使って確認していくとわかりやすいです。
「うさぎやいぬは撫でられるからちょっと近いね。」「ライオンは触るのは怖いから遠いね。」などと、触れ合えるかどうかを基準として考え、分類していきます。動物で分類の仕方を理解したら、人物を動かしていきます。
家族や親戚など身近な人を提示し、中心に近い色から並べていくようにするとお子様が理解しやすいです。
友達や先生に対して距離感が近くなってしまうお子様の場合は、友達や先生を並べる際に家族よりは遠い位置になることを確かめ、どれだけ仲が良くても容易に触れ合える距離感ではないことを確かめます。
困った時はどうする?
もしも困ったことが起きたら、虹のどの色の人に声をかけて助けを求めるか考えることもできます。
家族や親戚などの身近な人や、信頼できる先生がいる場合は声をかけやすいと思います。
一人でいる場合は「黄色」の会話ができる人や、駅員や郵便屋さんなど施設の人を頼る選択肢も想定しておくことで、一人で困らず周囲の大人にSOSを求められるようになることが期待できます。
おわりに
今回は、パーソナルスペースについて、実際にものを使って考える活動についてお話をしました。
他者との適切な距離感を知ることは、社会に出てからの人との関わり方に影響することだと考えています。
今後もお子様の特性に合わせて、パーソナルスペースを含む『ソーシャルスキルトレーニング(過去のブログをご参照ください)』についての学習機会を設け、取り組んでまいります。
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こだわり、学習遅滞、不登校、多動、注意散漫、音に敏感など、お子さまの発達・成長・学力でご不安なことがありましたら、ご相談ください。
・準備や時間管理が苦手
・空気がよめない
・こだわりがあり学習にも偏りが多い
・意外なことで突然癇癪を起す
・不登校で勉強が遅れている
・算数や国語の問題内容をイメージするのが苦手
放課後等デイサービス オレンジスクール藤沢第2教室
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