スモールステップで語彙力を伸ばそう
最近世間でよく聞かれる“語彙力”という言葉。
一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
“語彙力を伸ばせば学力も上がる”などという言葉も聞かれます。
書店でも“語彙力”に関する本は、数多く目にされるのではないでしょうか。
しかし、語彙力とは何なのでしょう。
文部科学省によると
語彙は使用頻度が高くだれもが必ずしも日常的に使う語ではないが、対象となる文章・談話を理解するのに不可欠な語の集まり。(一部中略)
と書かれています。
要するに語彙力とは生活に必要不可欠な言葉なのです。
しかし、どのように語彙力を伸ばしていけばよいのでしょうか。
今回語彙をテーマに
・語の言語化
・教室での事例
について書かせていただきます。
語の言語化
・新しい語彙の習得方法
子どもたちの日常生活では様々な単語が飛び交います。
それは大人同士の会話であったり、町に売られている商品名であったりと様々です。
耳で聴き、目で視て、肌で感じ…と非常に多くの感覚を使い単語を吸収します。
しかし、子どもの年齢によっては理解できず、“わからないなにか”で終わってしまうことがあります。
それを文字の表記や音声で表すことで“語彙”として、習得することができるのです。
・活動例
言葉に表すための手立ては様々あります。
例えば、物の特徴を単語で表現したり、聞いた特徴から物を当てたりする「わたしはだれでしょうゲーム」
また、単語や文を手がかりにして単語を発見する「なぞなぞ、カルタ、クロスワード」も有効とされています。
さらに、日常で子どもたちが行っている「しりとり」にも語彙を伸ばす力があります。
しりとりは語の想起を豊富に経験することができますので、家族のだんらんの時間に行ってみてはいかがでしょうか。
大人との関わりのなかで、子どもたちが「この言葉知らない!」というものがきっと現れるはずです。
教室での事例
・分かち書き
以前ブログで紹介させていただきました、『分かち書き』をお子さんに合わせて藤沢教室では行っています。
※分かち書きとは、単語ごとの句切れや文節ごとの句切れのことです。
(分かち書きなし:きょうのてんきははれです)
(分かち書きあり:きょうの てんきは はれです。)
文字を読むことが苦手なお子さんや、低学年のお子さんの学習プリントで行っています。
分かち書きをすることで、文字の一つひとつが視覚的にわかりやすくなります。
また、視覚的だけではなく、読みを行うときにも有効的です。
正しい言葉で発し、耳から自分の音声を聞くことで語彙の理解につながるのです。
・絵と言葉のマッチング
”ひらがな1文字ずつの理解はできているけれど、言葉としては捉えていない。”
小学校低学年の困り感として、よく聞かれる事例です。
藤沢教室では視覚的ヒントから名称などを想起できるような学習方法を行っています。
まずはイラストを選びます。
次に対象のひらがなから正しい文字を選びます。
お子さんにあわせて、書きの学習を行います。
文字を選び、読み、書くことで言葉の理解が深まります。
お子さんの実態によってはイラストなしで文字選びをしたり、音声を聞き対象のイラストを選ぶカルタを行ったりしています。
また、お子さんによっては文字数を3字数から5字と増やしても、抵抗感なく学習に取り組むことができています。
このように、繰り返し言葉を話したり、聞いたり、書いたりすることで語彙力へとつながっていくのです。
他にも学年によって変化した語彙力を伸ばす学習形態を用意しております。
お子さんのニーズにあわせた学習や療育の内容を提供できますよう、今後も努めてまいります。