成績が悪い子は学習障害?
こんにちは!オレンジスクール鶴見教室です。
オレンジスクールは「学習支援×療育」をテーマに運営しています。そのため教室には、発達障害や学習障害を抱えた子が多く通われています。その中で「勉強ができない=学習障害なのか?」という疑問の声をお持ちの方もいます。
そこで今回は、「勉強ができない子」と「学習障害の子」の違いを紹介したいと思います。
学習障害の定義
学習障害の定義は文科省より以下の基準が示されています。
- 知的障害ではないが、何らかの脳機能に困難を有している
- 「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」の能力の内、いずれかの能力の習得に困難がある(できる能力とできない能力に差がある)
- 他の障害や環境的要因ではない
なお、これは文科省が提示している判断基準であり、診断基準ではないことは注意が必要です。
勉強ができない=学業不振?
上記の文科省の学習障害の判断基準を簡潔に考えると、
家庭環境に問題はなく、学校でも授業に参加できているにも関わらず、「聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する」などの能力の中に差が生まれている状態
と言えます。
反対に考えると、
- 不登校で勉強ができない
- 学校環境が原因で適切に授業を受けることができない
- 手足が不自由で授業を受けれなかったり、参加したりすることができない
- 家庭環境が原因で学習が十分にできていない
などの要因で勉強ができない子は学習障害ではありません。
(この場合は「学業不振」と呼ばれます)
子どもの学力は様々な要因があります。
単に勉強ができないから学習障害と思ってしまうと子どもへの支援方法が制限されて、逆に適切なサポートが子どもに届かない恐れが出てきてしまいます。
よって、学習障害と何か?ということを正しく理解することが重要となります。
学力はどのように築かれるのか?
学力には、その学力を支えるための認知機能と学業的技能があると言われます。
認知機能とは、
- 目で見た情報を処理する視覚情報処理能力
- 耳で聞いた情報を処理する聴覚情報処理能力
- その場で覚えた複数の記憶を活用し作業するための力であるワーキングメモリ
など、脳の働きの機能です。
これはどの人も持っている力ですが、認知機能の得意不得意はその人の脳の個性によります。
また、認知機能は脳の個性なのでトレーニングで強化することは難しい能力です。
(一部医療機関ではワーキングメモリのトレーニングを行なっているところもあります。)
一方、認知機能を土台として学習に使われるスキルを「学業的技能」と呼びます。
「聞く・話す・読む・書く・計算する」
これらは、学校で授業を受けたり、家で宿題をするなど学習をする上でとても大切なスキルですが、この学業的技能が低い場合も、学力に大きな影響を与えます。(実際これらは学習障害の判断基準でもあります)
そして、認知機能、学業的技能を土台として築かれる力が、一般的に「学力」と呼ばれる力です。
学習支援とは?
これらの背景を理解しつつ、
◆今、子どもが何に困って勉強につまづいているのか?
◆困り感にどんな支援ができるか?
を考えることが学習支援です。
上述したように認知機能へのアプローチは子どもにもよりますが、なかなか厳しい子は多いですが、学業的技能はトレーニングによって伸ばすことができます。
よって、学習支援では、習得できなかった学習内容を整理し、再度理解が促せるように教えると同時に、「聞く・話す・読む・書く・計算する」などの学業的技能を練習することで、より学習そのものの負担を減らし、子どもの学力を底支えすることを目指してプログラムを組んでおります。
最後に
鶴見教室では、支援をしていて気付いたことや、保護者の方から寄せられたお子様に関するお悩みを日頃から職員同士で共有しております。そして、その子の特性に合わせてどのような支援を行っていくのかを話し合い、実践しております。
お子さまの学習やコミュニケーションに悩みを抱えていることなどありましたら、お気軽にご相談下さい。
今後も子どもたちにとってよりよいサービスを提供できるよう引き続き精進してまいります。よろしくお願いします。
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