「療育×学習」「療育×発達」により、一人ひとりに寄り添った支援・教育を行います。

オレンジスクール

今日のピコ溝ノ口教室(児童発達支援)

適切な褒め方について

お子様に対して、どのように褒めたら良いのか分からない。

叱ると褒めるのバランスが難しい。

自己肯定感の低いお子様に対して、どのように接したらよいのか分からない。

自立心が育つ褒め方を知りたい。

などのお困りごとはありませんか。

本日ご紹介するのは、自己肯定感を伸ばす褒め方についてです!

不適切な褒め方を実施し続けていると、返ってお子様の自己肯定感の低下や失敗を恐れる心を持たせることに繋がります

しかし、適切な褒め方を知ることで、お子様の将来に向けた、心を育てる支援を目指すことが出来ます。

子供の「行動」の「自立」を妨げる言葉がけ

近頃では、お子様に対して「罰」「褒美」を与える方法で注意を促したり、子どもの行動に抑制をかけ、物事への理解を図る光景を目にします。

例えば、「悪い事したら、こんな悲劇が待っている」「素敵なことが出来たら、こんな物が手に入る」「片付けが出来たら、お菓子をあげるよ」などの伝え方は、一見良く見られていますが、子どもの行動を「抑制」することに繋がり、行動への効果は一時的なものに近いのです。

子供たちへ交換条件となる「If(もし~したら),Can(〇〇できる)」を与えることは、「損得勘定」を埋め込むことにも繋がります。

また、「出来なかった時」「もらえなかった時」の子供への心理的面での影響は「目に見えて」「感じやすい」ため、自己肯定感を下げる大きな要因となります。

それを改善していくには、「損得」を指し示すのでなく、「行動を提案」するに変えてみましょう。

「片付けが出来たら、お菓子食べようね」「ご飯食べ終わったら、公園に行こうね」

といったように「Let’s(~しよう)」と行動に対しての見通しを持たせ、導くことでのちの「自立」に繋がっていくと考えられます。

では、他にはどういった言葉がけで子ども達は「自主的」「主体的」に動き、その中で自己肯定感を育み、自立心を育んでいけるのでしょうか。

褒めることで「自己肯定感」「自立心」を育てる

褒めるのにも、ひとそれぞれ・場面ごとに方法が異なるのではないかと思います。

例えば、上手く出来たことに対して「すごいね!」と言葉にして伝えることもそうですが、「ご褒美」という形として与えることも褒めることと同じ意味を持ちます。またハイタッチや表情でポジティブな表現をすることも「褒める」という概念に含まれます。

ところで、一体、褒めることでどのような影響が子ども達にあるのでしょうか。

一般的には、自己肯定感の向上に繋がることが考えられています。

しかし、不適切な褒め方を続けていると、返ってお子様の自己肯定感を下げることに繋がることがあります。

では、どういった褒め方が自己肯定感の低下を招くのか、一緒に見ていきましょう。

褒める=他者からの評価になりがち?

ある研究では、3歳~5歳の子供を対象に数字の推測ゲームを実施する際に「良い子」と評判を受けた子と「かしこい子」と評判を受けた子に対しての「覗き(カンニング)行動」の変化を調べたものがあります。これは、「他者評価」においての子供の理解度や、行動でどういった変化があるのかを調査したものになります。

そこでは、「かしこい」という評価を受けた子の「覗き行動」が増加したという結果が出ました。

また、「覗いたところを目撃したら誰々(〇〇)に伝える」や「覗かないでね」などの否定的な結果や期待を伝えた場合には、子どもの我慢をする時間は伸びるが、結果的に覗き行動は減少しない、という結果が出ていました。

この研究で、なにが言いたいかというと3歳~5歳の幼児であっても、他者からの評価や評判に応じて自らの行動を良くも悪くも修正したり、変更をすることができるということです。

さて次に「他者からの評価」は、子ども達にとって良い影響をもたらし、子供たちの自己肯定感に繋がっていくのでしょうか。

褒め方の種類

我々は無意識のうちに、「褒める」という行動を「他者からの評価」として伝えることが多いです。

例えば、「絵が上手だね」「走るの早いね」「字が綺麗だね」などは、「私から見てあなたってこういう”評価”」という伝え方になります。

こういった他者からの評価を続けていくことで、子ども達はいずれ他人の評価軸の中で生きてしまいがちとなるでしょう。

井上洋平さんの「幼児における賞賛と「自己肯定表現」の発達的影響」という論文では、褒める=賞賛とし、以下のようなタイプに整理されています。

  1. 人物そのものや能力・特性を褒める=「人物賞賛」「能力賞賛」
  2. 採用した方略や結果に至るまでの過程あるいは努力を褒める=「プロセス賞賛」「努力賞賛」
  3. 出来栄えなどを褒める「結果賞賛」

こういった、賞賛の種類をさらに、分けたものが以下となります。

包括賞賛とは、物事の過程や結果ではなく、その人全体の存在やもっている能力など、変化が生じにくい事を褒め伝えるものを指し、

個別賞賛とは人物そのものではなく、物事の過程や結果、行動した事実などを褒め伝えるものを指します。

包括的賞賛は自己肯定感を損なう?

ある研究では、5歳の子供を対象に「失敗と成功」に対する評価「人物」「結果」「過程」の観点から評価し、その後の様子を「出来栄え」「自己イメージ」「悲喜の感情」「根気」の点でそれぞれの変化を調べていました。

その結果では、人物に対しての批評や賞賛を受けた子供は、結果や過程を評価された子どもよりも、「無力感」を得ることが明らかになりました。

また、もう一つの研究では、4歳の子供を対象に、「絵が上手だね(You are good grawer!)」といった能力を褒める包括賞賛「上手に絵を書いたね(You did an good job drawing)」といった過程を褒める個別賞賛を与えた時、似たようなニュアンスでも失敗後に与える影響に変化があるのかを調べていました。

その結果、「失敗前のエピソードを嬉しく感じる」「失敗した次の日に再度絵を書こうとする」など再度同じことを試みる子供の割合いが、個別賞賛を受けた子供で高い事が示されました。

さまざまな研究の中で、包括的賞賛を受けるよりも、個別賞賛を受けたほうが自己評価が高くなり、根気強いことが示されました。

また、賞賛の方法に目を向けてみると、言葉による賞賛だけでなく、「うん、そうだね」といった「曖昧な賞賛」やサムズアップ(親指を立てる)やハイタッチといった「ジェスチャー賞賛」でも根気強さについては、失敗後の自己評価の面で肯定的な影響を及ぼす結果が示されています。

能力や特性は固定的で変化しにくいため、その評価を受けた子供は失敗を経験すると「固定的な能力や特性を実は備えていないのかも」と思い、自己評価や粘り強さが低下するものと考えられます。過程や努力を評価された子供は失敗の理由が自らの能力や特性の不足にあるのではなく、「用いた方略や努力が十分でなかった」と思い、包括賞賛を受けた子供に比べて自己評価や根気が低下しないと考えられています。

努力賞賛の影響は発達とともに異なる?

小学生以上を対象にした研究では、「誰(大人)が」「誰の(対象者)」「何(賞賛対象)を」「どのように(大袈裟かどうか・過不足なくかどうか)」褒めるかによって影響が異なるとされています。

例えば、幼児に対する賞賛の方法として好ましいとされるプロセス賞賛や努力賞賛であっても、褒められる子供自身が、「能力と努力の関連」を、”努力の多さが能力の低さ”と思い、「能力が低いから努力をする」という考えを持っていると、「練習したんだね」という賞賛が「能力がないから練習したんだね」という返って否定的なメッセージとして解釈される可能性があるとされています。

しかし、自尊感情を高めようとして、大袈裟に行う賞賛も自尊感情が低い子供にとっては逆効果であり、むしろ適度に褒めたり客観的事実を伝達することの方が重要とされています。

適切な褒め方とは

人物や能力を褒める「包括的賞賛」では、自己評価及び自己肯定感を下げるという結果が多くでています。

そのため、適切な褒め方は、過程や努力、結果に応じた「個別賞賛」であるとされます。

では、具体的にどういったものなのでしょうか。

つまり、適切な褒め方とは、上記にあるように、客観的事実として「あなた、いまこうしてる(こうしてた)」を伝えることが重要なポイントになってきます。

しかし、子供が行動した「Do」に対して、大人の主観で評価をすると「あなたってこうだよね」とラベルを貼るような行為と同じに意味を持ちます。

「Do」に対して、それは良い行動だったのか、良くない行動だったの評価をするのは、あくまで「子供自身」であるのが理想です。

まとめ

「適切な褒め方」と題しましたが、関わり方に「正解」はなく、人それぞれの関わりの中で、場面に応じた褒め方があるとおもいます。

時折、子供たちとのコミュニケーションの中で「これは良かったこと?良くなかった?」と選択肢を与えるなどしながら、子どもの自己評価を図り、また評価を下すのは大人ではなく子供自身であることを伝えることも、お子様が自ら考えて行動できるようになる”自立心”を育むひとつなのではないかと考えます。

しかし、子ども達は、たくさんのことばや関わりを経て成長をしていくものです。

「こう褒めなければいけない」「こう関わらなければいけない」ではなく、たくさんの関わりや心の変化を経験してもらうことが大事です。

そのため、これからも、お子様との時間や成長を楽しみながら適切なコミュニケーションを図る事が何よりも第一優先になるでしょう。

また、お子様への言葉のかけ方として参考にしていただけるブログとして、以前ご紹介した「言葉掛けの効果について」も合わせてご覧ください。

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