「姿勢」を変えると、毎日がちょっと変わる -立腰(りつよう)のすすめ-

みなさんは、普段どんな姿勢で過ごしていますか?
スマートフォンを見ているとき、ゲームをしているとき、勉強をしているとき……気がつくと背中が丸くなっていたり、机に顔が近づいていたりしませんか?
「姿勢をよくしなさい」と言われると、「面倒だな」「そんなに姿勢って大事?」と思う人もいるかもしれません。
でも、姿勢は見た目だけの問題ではありません。実は、姿勢は体の使い方だけでなく、集中しやすさや気持ちの切り替え、呼吸のしやすさにも関係しています。
療育の場でも、姿勢を整えることは大切なポイントの一つです。
「立腰」って何?
「立腰(りつよう)」とは、文字通り「腰を立てる」ことです。(骨盤を立てること)
ここでいう「腰を立てる」は、無理に胸を張ったり、背中を反らせたりすることではありません。
椅子に座るときに、お尻をしっかり椅子につけ、足を床につけ、背筋を自然に伸ばし、頭を上から引っ張られているような感覚で座ることを意識します。
ポイントは、「頑張ってきれいな姿勢を作る」のではなく、体が安定して、楽に活動できる姿勢を見つけることです。
姿勢と発達にはどんな関係があるの?
私たちは、座る・立つ・歩く・手を動かすなど、さまざまな動作をしています。
その土台となるのが「体幹」です。
体幹が安定すると、手や目を使った活動にも取り組みやすくなります。
例えば、机に向かって勉強するとき。体がぐらぐらしていると、姿勢を保つことに力を使ってしまい、課題に集中しにくくなることがあります。
反対に、足を床につけて体を安定させることで、手を動かしたり、目で文字を追ったりすることに意識を向けやすくなります。
もちろん、姿勢だけですべてが決まるわけではありません。
疲れや眠気、環境、興味・関心、その日の体調など、集中力にはさまざまな要素が関係しています。
だからこそ私たちは、「姿勢が悪いから集中できない」と決めつけるのではなく、「少し姿勢を整えることで、活動しやすくなるかもしれない」という視点を大切にしています。

姿勢は「気持ちのスイッチ」にもなる
姿勢を整えることには、もう一つ大切な意味があります。
それは、気持ちを切り替えるきっかけになることです。
例えば、勉強を始める前に、
「椅子に座る」
↓
「足を床につける」
↓
「背筋を伸ばす」
↓
「ゆっくり息を吐く」
という流れを作ってみます。
これを繰り返していると、「この姿勢になったら活動を始める」という自分なりのスイッチを作ることができます。
中高生になると、勉強、部活動、友達との関わり、スマートフォンなど、さまざまなことを自分で切り替えていく力が求められます。
その中で、自分の状態に気づき、自分で整える方法を身につけることは、とても大切です。
「ずっといい姿勢」でなくても大丈夫
ここで大切なことがあります。
「姿勢をよくしなければ!」と頑張りすぎなくて大丈夫です。
人間は、同じ姿勢をずっと続けるよりも、適度に動いたり、姿勢を変えたりすることが自然です。
だから、「いつでも背筋ピン!」を目指す必要はありません。
おすすめは、姿勢が崩れていることに気づいたら、一度リセットすること。
「ちょっと丸まってるな」
↓
「お尻を椅子につけよう」
↓
「足を床につけよう」
↓
「背中を自然に伸ばそう」
↓
「ふーっと息を吐こう」
これだけでも十分です。
まずは30秒から!
今日からできる「立腰チャレンジ」を紹介します。
① 椅子に安定して座る
② 足の裏を床につける
③ お尻をしっかり支える
④ 背中を無理なく伸ばす
⑤ 頭を上から引っ張られているイメージ
⑥ ゆっくり呼吸する
まずは30秒やってみましょう。
勉強を始める前、スマートフォンを見る前、学校で授業が始まるときなど、「姿勢をリセットするタイミング」を一つ決めてみるのもおすすめです。
姿勢は、誰かに怒られないために直すものではありません。
自分が集中しやすく、楽に過ごすための「自分のスイッチ」として考えてみてください。
姿勢を整えることは、小さなことに見えるかもしれません。
でも、その小さな積み重ねが、「自分の体や気持ちを自分でコントロールする力」につながっていきます。
今日から少しだけ、自分の姿勢に目を向けてみませんか?
「姿勢を変える。気持ちも変わる。行動も変わる。」
そんな小さな変化を、一緒に見つけていきましょう。


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