アナログゲームについて知ろう!~後編~
さて、今月のブログでは「アナログゲームについて知ろう!~後編〜」と題し、
学童期~中高生の発達段階のお子さんを対象とした教室で人気のアナログゲームと、
ゲーム中に見られる気になる行動について解説させていただきます!
1.学童期のお子さん向けのゲーム
学齢期に差し掛かるお子さんは、段々と記号やルールの理解が出来てくる段階にあります。
そのため、幼児期に適当とされていたゲームよりも、仕組みやルールが少々複雑なゲームに挑戦してみるとよいでしょう。
教室にあるおもちゃの中で人気のあるものとしては、以下が挙げられます。
- なんじゃもんじゃ
「なんじゃもんじゃ」は、不思議なモンスターに名前を付けていくゲームです。
名前がついたモンスターのカードが再び出た時、1番早く名前を呼べた人がカードを総取りすることができます。
お子さん達は互いに面白い名前をつけ合い記憶し、集中しながらゲームに臨んでいます。
このゲームは「集中力」「記憶力」など様々な力を鍛える事が出来ますが、中でもお子さんたちに人気の要因となっているポイントが
「自分で名前をつけられる」という点です。
「ゲームに勝つ」以外にも「面白い名前をつける」という要素があり、
名前をつけることで、周囲の注目を集めることが出来ます。
自身に注目を集められるという点で、このゲームは根強い人気を誇っています。
- インカの黄金
「インカの黄金」は、財宝をゲットするために冒険をするかそれとも退くか、先の展開を予想しながら冒険していくゲームです。
次にめくるカードが財宝か罠なのかとというドキドキ感が人気のポイントです。
ゲームとして複雑な点は、ルール性です。
- 場にあるカードを交互に引きます。引く際に、プレイヤーはそのカードが「財宝」か「罠」かを予測します。
- 「財宝」であれば、お宝はプール。場にある「財宝」が増えれば、もらえる宝の量が増えていきます。しかし、「罠」は破滅への一歩。同じ「罠」が出ると場に溜まった財宝はすべて消えてなくなっていまします。
- カードを予測しながら、同時に「進む」「戻る」という選択も行います。「進む」を選択した場合は、プレイを続行し、「戻る」を選択した場合はその時点で場にあるお宝を得ることができます。
進めば進むほどお宝の量が増える一方で、罠が出るリスクも増大します。
ハイリスク・ハイリターンのスリルがこの遊びの醍醐味です。
このゲームでは、次のカードが安全か否か、場にあるカードや周りのプレイヤーの様子をみて予想する力や、自身で判断する力を遊びながら培うことができます。
また、お宝はカラフルな石で出来ており、各色によってポイントが異なります。
自分のポイントがいくつなのか、足し算や掛け算の学習としての側面も持ち合わせているゲームです。
その他にも「坊主めくり」や素早さを競い合う中華料理注文ゲームの「音速飯店」、
大勢で協力することでクリアを目指すしりとりゲーム「シリトリミット10」、
戦略を練りつつ他者と協力して遊ぶゲームとして「スライドクエスト」というゲームも人気です。
2.中高生のお子さん向けのゲーム
発達段階が中高生のお子さん達は複雑なルールも理解し、戦略を自身で練ってプレイすることが出来るようになってきます。
教室にあるおもちゃの中では以下が人気です。
- クアート
「クアート」は縦横斜めに「同じ形」「同じ高さ」「同じ色」「穴あり穴なし」を揃えたら勝ちというゲームです。
このゲームの複雑なポイントは、自分の好きなコマを好きなタイミングで置くのではなく、
相手に置かせたいコマを指定して相手に置かせる、という点です。
どうすれば相手に狙った場所に置かせられるか、相手に自分の欲しい駒を選ばせるか等
「思考力」や「洞察力」「観察力」を鍛える事が出来ます。
- オートリオ
「オートリオ」は〇✕ゲームの容量で楽しめるゲームです。
「同じ色」「同じ大きさ」もしくは「大中小の順番」になるように駒を並べて行くゲームとなっています。
こちらのゲームは最大4人まで遊べることが特徴です。
誰か1人のリーチを気にしているとうっかり他の人が上がってしまう、という事がよくあります。
「クアート」と同じく「思考力」や「洞察力」「観察力」は勿論ですが、
誰が今リーチなのか常に把握する必要があるため、「集中力」も身につける事ができると言えます。
その他のゲームでは「それは俺の魚だ」や「ブロックス」という陣地取りゲームも戦略を練るゲームとして人気があります。
また、周りと戦略を練りながら領土を獲得していく「カルカソンヌ」も人気の一つです。
こちらは、個人戦だけではなく、チーム戦として遊ぶ様子も見られています。
3.気になる行動
お子さん達が成長するにつれて、遊ぶ中で気になる行動が出てくる事もあります。
代表的な例としては以下が挙げられます。
- 不安感から参加できない
- ルール違反
- 過剰なアドバイス
これらの行動は特性に基づく行動でもあり、環境や背景を考え調整することにより、改善される事があります。
- 不安感から参加できない
ゲームに対する見通しがたてられないことで不安を感じるお子さんが多いです。
そういった場合に無理に誘う事はむしろ逆効果に繋がります。
実際に遊んでいる様子を見せるなどして、遊びの流れやルールを提示することが有効です。
また、大人とチームを組んで遊んだり、ルールを簡略化することも無理なく参加できる対応の1つとして挙げられます。
- ルール違反
ルール違反が多い場合、それは大きくわけて2つのケースが主に考えられます。
・ルールを理解出来てない
・ルールを守る事で失敗体験があり、ゲーム以外で自分を優位に見せようとする
前者の場合は、
・点数がつくものであれば点数表をつくり視覚化する
・事前にルールの確認をみんなで行う
などの工夫を取り入れることで行動が落ち着きます。
後者の場合は、注意によって止めさせようとすると、かえって逆効果になる事があります。
ルールに則った正しい言動に注目してあげる事が効果的です。
- 過剰なアドバイス
お子さんが過剰なアトバイスをしたがる要因は、主にマナーの認識の差であることが多いです。
明確に定められているルールとは違い、マナーは「他者と認識を共有しているか」が分かりづらいものです。
それ故に、自分が適切だと思ってアドバイスしたことでも、相手からしたら過剰だと思われることがあります。
そのような場合は、ひとつの手段として、「マナーのルール化」を提案しています。
「マナーのルール化」の例としては「なんじゃもんじゃ」や「坊主めくり」が挙げられます。
二つの遊びに共通するのは「カードをめくる」という動作です。
カードをめくるという動作とこれらのゲームの特性を合わせて考えた時、望ましいめくり方は
「全員に見えるようにめくる」だと言えます。
ですが、これはあくまで「マナー」でありプレイヤー全員で共有しているものではありません。
しかしこの「マナー」をめぐり、
「カードが見えないよ!」
「見えないからキャラクターが分からない!」
等のトラブルが起きることがあります。
そこで藤沢教室では、事前のルール説明として「カードはみんなに見えるように、こうやってめくろう」
と「マナー」を「ルール」という扱いにした上でお手本を示しています。
空気を読んだり相手の気持ちを理解することが難しいお子さんも、あえてマナーを言語化することで理解することができます。
また、全員で取り組む経験がマナーの定着に繋がります。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました。
藤沢教室ではこれからも、多様なアナログゲームを取り揃えるだけではなく、
お子さんの発達段階や身につけたいスキルに合わせたゲームの提案を出来たらと思います。
以下に「アナログゲームについて知ろう!~前編~」の記事のリンクを貼らせていただきます。
関連記事:アナログゲームについて知ろう!~前編~
こちらの記事では
- 「アナログゲームの特徴やデジタルゲームとの違い」
- 「幼児期のお子さんにあったゲーム」
等を紹介していますので、こちらも併せてご一読いただけますと幸いです。
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