切り替えができるようになろう!
「片付けが苦手」、「次の行動に移るまでに時間がかかってしまう」、「決められた時間を守ることが苦手」など、お困りごとはないですか?
集団生活や、日常生活において時間を守ることは、とても大切なことですよね。
ですが、約束を守ってほしいからと「約束の時間だから!」と言って遊んでいた玩具を取り上げてしまうことは、逆効果となってしまいます。
今回は、行動面での切り替えができるようになるアプローチ法を紹介したいと思います。
切り替えが難しいと考えられる要因
行動の切り替え部分において、「まだ遊びたい!」「やりたくない!」という気持ちから
癇癪を起したり、大声を出したりするお子様が多く見られます。 その要因として、以下の4つが考えられます。
・見通しを持つ力が弱い
・今、行っていることが「楽しい」と感じ、集中し過ぎてしまう
・こだわりが強い
・次に行うことが苦手、面倒と感じている
大人になっても切り替えが難しいことがありますよね。
ですが、ほとんどの方は、「見たいテレビがあるから先にお風呂に入ろう」「これを終わらせたらゲームをしよう」など
先のことを見通して切り替えができると思います。
見通す力が弱いと、今行っていることへの気持ちが大きくなり、終わらせることが難しくなってしまいます。
見通す力を養うために
現実には起きていないことを予測して、行動に移すことはとても難しいですよね。
ですが経験を通して、「やらなければいけないこと」に気が付くことができるようになると思います。
そこで幼少期からできる2つのアプローチ法を紹介していきたいと思います。
①行動の見える化を行う
行動の時間帯、行動内容、準備するものなどを、分かりやすく提示することにより、認識がしやすくなります。
また、一度集中してしまうと、声を掛けても聞こえなくなってしまうため、
守ってほしい時間をあらかじめ提示しておくことが大切になります。
当教室では、一番初めにスケジュールの確認を行っています。
年少、年中では、イラストを使用してスケジュールの確認を行っています。
イラストで提示することで、イメージしやすく、伝えられた言葉とやるべきことが一致できるようにしています。
年長クラスでは、時間の勉強もかねて時計を提示し、時間を意識した空間で生活できるようにしています。
先の見通しを立てることにより、「遊びの時間のために頑張ろう」「これを終えたら帰りだ」と
療育中のモチベーションになるようにしています。
②予告・具体的な声掛けを行う
こだわりのあるお子様や、見通しを持つことが苦手なお子様に対しては、切り替える心の準備が必要です。
当教室で行っている具体的な切り替え方法を紹介します。
・次に取り組む活動を知らせて見通しを持たせる
スケジュールで確認した内容を、もう一度、次の活動に入る前に声を掛けるようにしています。
「次は遊びの時間です。ジリジリの合図が鳴ったら片付けだよ。」
ベルが鳴り終えたら、
「片付けの時間です。片付けを終えたら絵本を聞こうね。」
と活動に入る前に声を掛けることで、見通しが持ちやすいようにしています。
上記の声掛けは、時計の勉強をしていないお子様に対してベルを使って時間の提示を行っています。
時計の学習をしているお子様に対しては、「〇時〇分になったら、何の時間だっけ?」と
一緒に片付けの時間を確認を行ってから遊びに入るようにしています。
また、次の活動を提示する際には、お子様が興味を持つ声掛けを行うようにしています。
遊びの時間から絵本の読み聞かせの時間に移る際に、切り替えが難しいお子様も多いですが、
お子様の好きな絵本や紙芝居を提示するようにしています。
そして絵本を聞き終えることが出来た時には、絵本カードに好きなスタンプを押すことが出来るようになっています。
・切り替えのサインをだす
時計が分かるお子様に対しては、目に入る位置に時計を置き、
残り時間を意識した行動が出来るようにしています。
集中していると、時間に気づくことが難しいこともあるため、ベルを鳴らして終了の合図を知らせています。
音が鳴ることで集中が途切れ、声が届きやすくなり、切り替えのタイミングになりやすいです。
・活動を切り上げる前に声を掛ける
遊びの時間や、工作でのお絵描きの時間など、集中して取り組む時間では、
時間を気にすることなく取り組む姿が多く見られます。
「あと5分だよ」「ベルが鳴ったら終わりだよ」と活動している中に伝えておくことで、
終わりを意識して取り組むことが出来ます。
また、ゲームなどでは、回数を設けるようにし「あと1回行ったらお終いね」と
数を提示して守れるように声を掛けています。
・周囲の状況に目を向けるようにする
多くの子どもは、周りの子どもたちが活動を切り上げるのを見て、自分もそれにならおうとします。
しかし、切り替えが難しい子どもは、周囲に関心を持ちにくいことがあります。
そのようなとき、「みんな片付けをしているよ」と言った声を掛け、
まずは周りの様子を見渡し、みんなの動きに気が付くことが出来るようにすることも必要です。
まとめ
当教室で行っている、行動の切り替え場面でのアプローチ法について紹介してきましたが、
全てのお子様が、同じように切り替えを行うことは難しいです。
ですが、当教室ではお子様の日々の様子から、
一人ひとりに合わせた切り替え方法を提示するようにしています。
次の活動に対してどうしても移ることが出来ない時には、
お子様と一緒に「何ならできるか」「どうしたいのか」「あとどれくらいで終わりにするのか」など、
相談をして切り替え方法を探すこともあります。
自分で約束後ことを決め、守ることが出来た時は、達成感を味わうことができますよね。
今後も、当教室ではお子様自身が達成感を味わいながら生活ができる環境を提供していきたいと思います。
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児童発達支援 オレンジスクールピコ 溝ノ口教室
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高津区(久本・坂戸・末長・北見方・諏訪・溝口・下作延)・宮前区・中原区・多摩区 「知能×社会生活能力」の発達
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