気持ちの代弁について
お子様との会話の中で、
「何を伝えたいのかが分からない」
「相手に対しての口調が強くなってしまう」
などのお悩みのお子様はいらっしゃいませんか?
お子様もとっさに言葉が出ないもどかしさから、
物や人に当たってしまうことがあるかもしれません。
気持ちを言葉にすることが出来るようになると
お子様や保護者の方も意思疎通を図りやすくなりますよね。
本日は、会話の中でお子様の気持ちを代弁する必要性についてお伝えしていきます。
代弁とは
言葉がなかなかうまく話せないお子様の中には、
自分の気持ちが理解されず、
怒ったり、相手に対して噛みつきを行ったり、自傷行為につながってしまうことがあります。
その心のモヤモヤを
大人が代わりに代弁してあげることで、言葉を理解し、喋れるようになっていきます。
また、他者への伝え方を身に付けていくためにも代弁が必要となってくるのです。
★代弁について
では、どのような場面で代弁が必要になるのでしょうか。
うまく言葉で伝えられないお子様にとって必要な代弁は、3つあります。
①要求
「○○したい」「○○が食べたい」など、お子様が生活していく中で要求する場面はたくさんあります。
お子様が何か、物に手を伸ばした時には
「○○がしたい、だったんだね」と
行動から推測をして、お子様のやりたいことを言葉で伝えていく方法です。
要求の代弁を繰り返していくことで、
お子様が、行動と言葉の一致をはかることが出来るようになります。
②気持ち
お子様は、生活の中で様々な事柄に触れ、色々な感情に出会います。
「これいやだ」「楽しいな、面白いな」「玩具が壊れて悲しいな」「うまく出来なくて悔しい」
という様々な気持ちがあると思います。
感情の言葉を獲得していない、自分の気持ちに気が付かないお子様に対しては、
と場面に応じて気持ちを言葉にしてあげます。
そうすることで、今感じた気持ちが「悲しい」や「嬉しい」という言葉の獲得につながっていきます。
他にも「鼻水がでて気持ち悪いな」「咳が止まらなくて苦しいな」
という体の不調を代弁してあげることで、
お子様も自分から今の状態を伝えられるようになっていきます。
③相手の気持ち
お子様の気持ちだけでなく、一緒にいる友だちや大人の気持ちにも気が付けるように代弁が必要です。
子どもは日頃から、自分のことで精いっぱいになっています。
そこで何かのトラブルがあったときなど、自分の気持ちだけを考えてしまいます。
そのため、相手にも気持ちがあることを代弁して気が付けるようにすることが大切です。
お子様が取った行動から、相手側がどのような気持ちになったのかを代弁していきます。
そうすることで、友だち同士のかかわり方を学ぶ機会となり、
相手がどのような気持ちになるのかを感じ、
自分たちで友だちと仲良くしていくための言葉を使うことが出来るようになっていきます。
言葉の遅れが目立つお子様に対しては、行動を実況中継することも効果的です。
下のイラストは、子どもが遊んでいる様子です。
これを実況中継してみると…
一つの行動から、たくさんの言葉を掛けてあげることが出来ます。
その言葉を聞いて、お子様自身が今行っている行動について、言葉で説明できるようになっていきます。
自分の気持ちを伝えるのが難しいのはなぜ?
①自分の気持ちに気づけない
自分が今どんな気持ちになっているのかについて
気づくことが難しいお子様がいらっしゃいます。
そのようなお子様の多くは、知っている感情の言葉が少ないことが多いです。
そのため、身近にいる大人がお子様の感情を読み取り、
「いま、嬉しい気持ちだね」「ちょっと、悲しい気持ちかな」と
言葉で伝えてあげることが必要となります。
②意見や考えを言語化できない
「今日は幼稚園どうだった?」という曖昧な質問に対して、
「○○ちゃんと遊んだ」「折り紙した」など経験したことをお話することが出来るけど、
「○○ちゃんと遊んで楽しかった」などと感じた気持ちを言葉にすることが難しいことがあります。
他にも話の区切りを付けることが難しく、とめどなく話が続いていくこともあると思います。
そのような時には、話の途中で1度話しの内容の確認を行いましょう。
「幼稚園で○○ちゃんと一緒におままごとをしたんだね。○○ちゃんはお母さん役だったのね。」
とお子様の話の中で出てきた出来事の要点をまとめてあげましょう。
話を汲み取ることが難しい時には、
必要な単語を引き出すための質問も効果的です。
「今日はどこでおままごとをしたの?」
「誰と一緒に遊んだの?」
と5W1Hを含んだ質問を行い、最後に1つの文にして
「幼稚園で○○ちゃんと一緒におままごとをして、お母さん役をしたんだね」と
文の組み立て方を提示することも、相手に伝える練習となります。
③言わなくても分かってくれると感じている
普段の生活の中で言葉にしなくても、気持ちや行動を先読みして
お子様が行動したいように動いていることはないですか?
言葉にしなくても、うまくいくことが続いてしまうと、
「言わなくても分かってくれる」という気持ちが出てきてしまうことがあります。
また、切り替えが必要な場面では「いやだ」と感じ、
泣いたり、物に当たったりしてしまう姿が見られます。
そのような時には、お子様と向き合う時間を設けて
「何がいやだったのか」「どうしたかったのか」などの質問を行い、
感じた気持ちを言葉にする、指導員の言葉を復唱し、今感じている気持ちに気が付き、
少しずつ、自分の気持ちを言葉にできるようにしていきます。
まとめ
代弁を通して、気持ちを言葉にしてもらったり、
自分が感じた気持ちを言葉にできるようになると、
「相手に伝わった」「わかってもらえた」と感じることができるようになります。
その積み重ねによって、
「相手にもっと話してみよう」
「相手は、いまどんな気持ちなのだろう」と
他者への意識にもつながります。
当教室でも、ロールプレイングを行ない気持ちを伝える機会を多く設けています。
以前投稿した「自分の気持ちと相手の気持ち」に当教室で行っている
気持ちに関する課題が書いてあるので、ぜひお読みください!
言葉の取得には時間をかけて丁寧に伝えていくことが大切になってきます。
お子様からの困っているサインが見られた時には、代弁のチャンスです!
たくさん話しかけて、言葉のインプットをしていきましょう。
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