感覚遊びから得られる効果
お子様の中で
「急に人に抱き着く」
「同じ服やタオルを選ぶ」
反対に、「触られることを嫌がる」「靴下をはくことを嫌がる」
などの行動は見られませんか?
それは、
感覚に対して反応しやすい=感覚過敏
感覚に気づきにくい=感覚鈍麻かもしれません。
感覚の代表的なものには、「触覚」「嗅覚」「味覚」「視覚」「聴覚」の五感が聞きなじみあると思います。
これらは、生活をしていくうえで必要な器官ですよね。他にも様々な感覚器官が存在しています。
これらの感覚の必要性については、以前お話した「感覚統合」についてのブログをご覧ください。
本日は、感覚の中でも物に触れる時に感じる「触覚」についてのお話をしていきたいと思います。
触覚とは
感覚機能は赤ちゃんが胎内にいる時から形成されると言われています。
そして、中でも触覚は特に重要で発達が早い感覚であり、
主な機能としては「触ったものは何かを判断する力【識別】する力」になります。
例えば、カバンの中からお財布を探したいとき、
手の感触だけで見つけることが出来た経験はありませんか?
これは、触覚を通して「触り心地」を頭の中で記憶しているからと言われています。
また、胎内の中で触覚(触り心地)と痛覚(痛み)の区別も出来るようになります。
乳幼児期に、多くの物に触れることを通して、
触って気持ちがいいと感じると、
自分にとって安全な物=快
触って気持ちが悪い、痛いと感じると、
自分にとって危険なもの=不快
と認識をしていきます。
そして、多くの赤ちゃんは、
両親とのスキンシップを通して「両親=安全な存在」と認識し、愛着形成をしていくことが出来ます。
その他にも、安心できる触り心地から「情緒の安定」や身の危険を感じて反応する「防衛反応」も触覚から感じることが出来ます。
触覚が未発達だと起きること
触覚の発達が遅れてしまう要因としては、
・触覚過敏があるため、周囲のものに触れることを嫌がる
・触覚に対して低反応なため、触れても刺激が脳まで届かない
・環境的な要因により、物に触れる機会が少なく、安心して何かに触れる経験がない
このような状況から、触覚の発達が遅れ、様々な行動につながっていきます。
≪感覚過敏の場合≫
・頭を撫でられたり、手足に触れられることを嫌がる
・靴下や帽子など、肌に直接触れるものを嫌がる。特定の服を好んで着る
・爪切りや紙を切られることを嫌がる
≪感覚鈍麻の場合≫
・痛い、寒い、暑いなどの感覚に気が付きにくい→寒い日に半袖を着たりする
・刺激をもとめて爪や鉛筆を噛む
・他人との距離を取ることが難しく、人との距離が近くなる
「触覚」の過敏性・低反応への支援
触覚の経験を積むことが必要になってきます。
身近で触覚にアプローチができる遊びとしては、
・砂遊び
・粘土遊び
・スキンシップ遊び
などがあります。
幼児期に様々なものに触れ、安全だと認識できるものを増やしていきます。
触覚過敏の場合だと、物に触れることが減ってしまうため、経験を積むことが難しいです。
そこで触覚に対しての3つのアプローチ法をご紹介します。
➀自己選択
自分が興味を示したものに対しては、防衛反応が働かないと言われています。
そのため、
歯磨きを嫌がるお子様に対しては、「どの味の歯磨き粉がいい?」
着衣を嫌がるお子様に対しては、複数の素材の服を用意し「どの服がいい?」
と自己決定できる場面を用意し、防衛反応が働かないようにする方法があります。
②自分で自分を触る
触覚過敏のお子様は、自分で自分を触ることに対しては危険性を感じません。
そのため、
歯磨きや爪切りの場面では、使用する物をお子様自身が持ち、
大人はお子様の腕や手をもって操作することで受け入れることが出来ることもあります。
③好きなものを活用する
好きな物にたいしては、防衛反応が発動しないため、
歯磨きや爪切りの時間に、
好きなアニメをテレビを流したり、
好きなぬいぐるみを手に持つようにしたり
好きな物に触れられるようにする環境づくりもあります。
楽しい雰囲気を作ることで、安心感も増え、そのものに対しての防衛反応を減らすことが出来ます。
★スキンシップの取り方
触覚過敏があると、触れられることを嫌がりスキンシップが取りにくいことがあります。
先ほど紹介した3つのアプローチ法を活用したうえで、
スキンシップを取るためにコツをご紹介いたします。
・ゆっくりなでる
ゆっくりなでることで、気持ちいいと感じることが出来ます。
・広く触る
広く触ることで触れられていると感じやすくなります。
誰しも、尖っている物や針など1点をめがけて触れられると、「痛い」と感じますよね。
触覚過敏のお子様は、触れられた箇所をより痛覚として反応をしてしまうため、手のひら全体で触れてあげるようにしましょう。
・体の端から
顔や体の中心部分は、過敏に反応しやすいとされています。
そのため、手や足などの体の端から触れられる練習をすることが大切です。
まとめ
お子様が楽しく取り組める感覚遊びが身近にたくさんあると思います。
当教室では、粘土や新聞紙を使って感触遊びを取り組んでいます。
その他にもカラーボールプールや梱包材で全身に刺激を受けられるようにし、
気持ちを落ち着けらるような時間も設けています。
また、「できた」と感じた時にはハイタッチをして触れる時間を作り、
触覚からアプローチも出来るようにしています。
自分から「やってみたい」という気持ちを持つことができるような
環境設定作りがお子様の成長につながっていきます。
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児童発達支援 オレンジスクールピコ 溝ノ口教室
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