「療育×学習」「療育×発達」により、一人ひとりに寄り添った支援・教育を行います。

オレンジスクール

今日の小岩第2教室(放課後等デイサービス)

スモールステップで進もう

こんにちは。オレンジスクール小岩第2教室です。 

5月も後半、日中は少し動くと汗ばむ季節が訪れ、教室も爽やかな半袖の姿が見られるようになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 

今回は『スモールステップ』について考えてみたいと思います。

スモールステップとは

『スモールステップ』は、目標とする事柄を段階ごとに細かく分け、少しずつ習得できるようにする考え方のことを言います。

長い道のりのゴールは果てしなく遠く思えてとてもたどり着けそうになく、挫けそうになってしまいますよね。そこで、目標までの道のりを小さなステップに分けることで一つ一つ確実に達成していくことを目指す手法をとる、それが『スモールステップ』です。

発達障害のお子さんは、その特性から周囲の人と異なる経験をすることが多いため、成功体験が少なくなりがちで自己肯定感が低い傾向にあることは以前のブログでも紹介しました。出来ることと出来ないことの差に開きがあることで『うまくいかなかった』という失敗体験を重ねてしまいがちだとやる気と自信を失い、『自分はやっても出来ない人間なんだ』と思い込んで、何かに挑戦することを諦めてしまうことがあります。

そこで『スモールステップ』の出番です。小さな『できた』をたくさん経験して成功体験を少しずつ積み重ねて自信を高め、より大きな目標達成へ意欲的に取り組むことを目指す手法、それがスモールステップなのです。

スモールステップを取り入れた学習の具体例

日々の学習にスモールステップを取り入れることは、失われがちなお子さまの自己肯定感を育みながら少しずつ成長することが出来ます。

小学校4年生の算数でつまずきやすい単元の一つ【わり算の筆算】を例に挙げてみましょう。

上記は教材サイト『ちびむすドリル』の【あまりのないわり算の筆算】プリントです。こちらを例にして説明したいと思います。説明しやすいよう難易度の低い問題を選んでいます。

『ちびむすドリル』のわり算の筆算ページには、十の位・一の位といった位取りをわかりやすくするためのガイド線と、計算手順の番号①~⑥が振ってあるプリントがあります。

位取りがずれてしまうと正しく計算できないので、青いガイド線で『十の位』と『一の位』を分けて考えられるようにします。

また、割り算の筆算が特に苦手だという場合は、12問という問題数に圧倒されてしまうのを防ぐために※問題数を4問ずつに減らして大きめの字で印刷するのも効果的です。問題を減らして負担を軽減し、余白多めで印刷されたプリントは、学習のハードルを下げて取り組みやすくしてくれます。

(なお、問題に✕や斜線を引いて問題数を減らすだけでもOKです)

(※教材サイトの利用規約に則して印刷、ご利用ください)

この形の問題を解いてもらうと、つまずいたのが『位取り』なのか、『商(答え)を立てる方法』つまり『かけ算の九九の理解の曖昧さ』なのか、『足し算』『かけ算』『引き算』のすべてを使って計算するため『いま何の計算をしているのか混乱して迷ってしまうから』なのかなど、わからないポイントがどこなのかを発見することが出来ます。

ここで重要になってくるのは、

  ◎どこの位に商(答え)を立てるかで迷う場合 → 割り算は大きい位から計算するため、割られる数の右半分を指で隠して商を立てる

  ◎商を立てる方法がわからない場合 → かけ算の意味をもう一度おさらいして九九を確実に覚えることから始める

  ◎手順の複雑さで混乱している場合 → 解き方をひとつひとつの手順に分けて紙に書き、順番に計算していく

というように、つまずいたポイントによって取る方法が異なることです。

『割られる数』の右半分を指で隠す方法は、手順で混乱しやすいお子さんには特におすすめです。

まず一番最初に『3の中に2はいくつ入っているか』を考えて商を立てるという手順が明確になるからです。

その他の手順の複雑さ対策としては、別紙にやることの順番をひとつずつ書いて説明すると、一連の流れを把握できます。

ガイド線を頼りに位取りを意識し、

割られる数の右半分を隠すことで目に入ってくる情報を減らしてやることを明確化し、

商を立てる方法がわからなければ割り算の前にかけ算の理解を確実にして九九をしっかり覚えることから取り組み、

計算手順の複雑さを解消するために順番を追ってひとつずつ計算していく。

このように、スモールステップで目標を細分化することで『どこまでできていて、どこまでできていないのか』を把握しつまずいたポイントに合わせた対応策を取ることが可能です。

青いガイドラインと手順の番号があるプリントに慣れ、間違えずに計算できるようになってきたら、次は番号と数字を書く欄のないプリントへとステップアップします。ガイドラインも、青ではなく薄いグレーに変更。

お子さんの様子を見て、問題数を8問に増やしたものを用意してもいいかもしれません。徐々にできることを増やしていくことで成長の実感が得られやすくなり、モチベーションの向上につながります。

ポイントは『できたら 褒める』

スモールステップは、目標までの道のりを細かく分けて設定するため、『できる』ことがどんどん増えていきます。すると、現時点で当たり前にできていることへの評価をしなくなってしまうという傾向に陥ってしまいます。それに伴い、今まで楽しく段階を踏んで成長してきたお子さんも、次第に少しずつ階段をのぼっていくのがつらくなってきてしまい、モチベーションの低下が起こりがちになります。

繰り返しになりますが、『当たり前に出来るようになったことを認めて褒める』ことを大切にしていただきたいと思います。

『簡単だから出来て当たり前』なのではなく『頑張った結果、着実に出来るようになったことがすごい』という視点を持って接すると、日々の成長を共に喜ぶことができ、お子さんの自己肯定感も上がります。そして、次の課題にも果敢に挑戦しようとする勇気が湧いてきます。

頑張りを認めて一緒に喜んでくれる存在がいるということが、さらなるやる気へと繋がっていく…………以前【トークンシステム】の回でもお話させていただいたことですが、スモールステップの手法においても、お子さんがすでに出来ていることを認めてしっかりと称賛していくことが重要であるといえるのです。

まとめ

今回は、スモールステップを日々の学習に取り入れるヒントをお話しました。

ひとつずつ確実に理解できるようになることで小さな達成感を重ねて自信をつけ、次の問題にも挑戦してみようという意欲を高めることが期待できるスモールステップの手法を是非取り入れてみてはいかがでしょうか。

オレンジスクール小岩第2教室では、お子さんがスモールステップで成長できるように指導員一同サポートを行っています。

ご興味のある方は見学・相談を受け付けております。お気軽にお問合せください。(N.O)

放課後等デイサービス オレンジスクール小岩第2教室

【TEL】03-5876-8790

【FAX】03-5876-8791

【MAIL】orangeschool.koiwadai2@gmail.com

【アクセス】京成線江戸川駅 徒歩3分

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