発達と成長って?
~子どもの成長って何ができたら成長なの?~
今回は、子どもの発達段階と成長について紹介したいと思います。
お子様を育てていると、つい他のお子様やきょうだい児、ご自身の経験と比べてしまうことはありませんか?
人と比べてしまうと、「できているところ」よりも「できていないところ」に目が行ってしまうこともあるのではないでしょうか。
お子様の成長は人それぞれですが不安になることも多いと思います。
そこで「いつ」「どんなことが」成長していくのかを紹介をしていきたいと思います。
・成長するってどんなこと?
まず、成長するということにはいくつか意味があります。「大きくなった」や「できることが増えた」も一つの成長です。
まず大きくなるとは、「身長が伸びる」「体重が増える」「足のサイズが変わる」…これらは身体的発達というものに分類されます。
見た目でもわかりやすく、自覚もしやすいので、「成長したな」と感じやすいのではないでしょうか。
次に、できることが増えたというのは…「計算ができるようになった」「字が書けるようになった」などで知的発達というものに分類されます。
テストなどで点数として表されると結果は分かりやすいですが、単元の難易度や得意不得意が分かれやすく、個人の成長としてみるのは難しいものとなっています。
そのほかにも、「お友達ができて一緒に遊べるようになった」や「走るのが早くなった」、「遊べるものが増えた」など、心理的発達や運動行動、適応行動など、様々な機能にわかれて成長していきます。
では、それぞれどのように成長していくのか、発達の基礎になっていると言われている、「知的発達」と「心理的発達」についてこれからお話していきたいと思います。
成長の過程その1:知的発達
知的発達は生まれた時から発達が進み、生きるための機能として備わっているものの一つともいわれています。目が見えないのに母乳を飲めたり、意志を伝えるために喋れない代わりに泣いたり、いろいろな場面で知的発達は進むと言われています。
では、どのような過程を踏み、成長していくのでしょうか。
知的発達では、①新しい経験、②経験と経験を同化、③問題解決の欲求発生、④問題解決のために既存の知識を調節、⑤より高い経験へと発達という過程が繰り返し行われます。
新しい経験というのは初めは知らないものですが、大人になると「こんな感じか」というように一度経験しただけでも頭の中で勝手に解釈されていきます。
それは何故でしょうか。
簡単に言ってしまえば、大人だからです。お子様とは生きている年月が異なり、経験した量も莫大に異なります。そのため、新しい経験を今までの知識で補うことができ、なんとなく「こういうもの」と置き換えることができます。
この頭の中で勝手に解釈される過程が同化というものです。
同化の工程を行う際に、今までに似たような経験がないと考え、わからないと「疑問」に変わっていきます。そしてこの「疑問」はお子様にとってはとても不思議なものになります。「なぜ?なんで?」という気持ちでいっぱいになります。
これが問題解決の欲求が発生する過程です。知らないものは時に怖いものであり、時に興味をそそるものとなります。
好奇心旺盛なお子様からすれば知らない世界はとても興味深いものです。この不思議な状態を解決するために、「今までこんな経験あったっけ?」とお母さんやお父さん、学校の先生などに質問をします。「これって何ですか?!」と質問することで答えが返ってきます。
例えば、
①鉛筆で字を始めて書く
↓
②見よう見まねでマネする
↓
③「鉛筆が上手く持てなくて、字を書くのが難しい」と質問する
↓
④「鉛筆の持ち方は、お箸と一緒の持ち方をすると、字が書きやすくなりますよ」と返答がくる
↓
⑤お子様は前から知っている知識に似ているものがあることを知り、「鉛筆はお箸と同じ持ち方にすると上手に字が書けるんだ!」と頭の中で知識を付け加え、調整する
すると、今までの疑問が解決され、新しい知識として定着し、今までの経験より、より高い経験へと発達します。このような過程を踏み、知識は発達していくと言われています。
成長の過程その2:心理的発達
人は生まれてすぐ、まだ一人では何もできないからよくわからない世界を生きるために誰かを信用します。そして、一番最初に信頼する人はお母さんと言われています。貴重なご飯をくれる人であることからです。
この生まれてすぐに信頼する機能が第一の心理的発達の一つに値します。
心理的発達には、①基本的信頼と不信(乳児期)、②自律と恥・疑惑(幼児期前期)、③積極性と罪悪感(幼児期後期)、④勤勉性と劣等感(学童期)、⑤自我同一性と混乱(思春期)、⑥親密性と孤独(青年期)、⑦生産性と停滞…成人期、⑧自我統合と絶望…老年期と、年代ごとに課題があるといわれています。そして、②の段階に行ったら①がなくなるわけではなく、土台に①があるうえで②の段階に移ります。言葉だけではわかりにくいので、それぞれの段階の説明をしていきたいと思います。
まず、基本的信頼とは最初にお話しした通り、主に親子関係で生じるものです。ご飯をくれるお母さん、抱っこしてくれるお父さん、一緒にいる人を信頼できると思えると、基本的信頼が成り立ちます。逆を言えばここで信頼できないと不信となり、親子関係に少し違和感を覚えるお子様もいるかもしれません。(乳児期)
2歳ぐらいになると、一人で歩いたり、ご飯を食べたり、できることが増え自律していきます。しかし上手にできるわけではなく、怒られる機会が増えたり恥ずかしいと思うことも増えていきます。(幼児期前期)
3歳を過ぎたころには何でも自分でやりたい時期が来ます。「できるもん!」と言い張り、やってみると失敗して迷惑をかけてしまうこともあったのではないでしょうか。この時に積極性を知り、失敗した時には罪悪感が残ることを知ります。(幼児期後期)
小学校に入ると、勉強をする習慣が身につき、「勉強しなきゃ」と思う気持ちが少しずつ芽生えていきます。勤勉性を知ったものの、ここで躓いてしまうと「自分は何をやってもできない」というような劣等感も抱くようになります。(学童期)
ここまでは小学生、中学生ぐらいまでの心理的発達です。少し長くなってしまいましたのでここから先はまた機会がありましたら説明していきたいと思います。
・ 何ができたら成長なの?
先ほど、様々な機能の発達についてお話してきましたが、結局何ができたら成長なのか。
結論:答えはありません。
「身長が伸びた」これも1つの成長ですし「誰かとお話しできるようになった」これも1つの成長です。「歩ける距離が少し伸びた」や「いつもより元気に遊ぶことができた」などなど…
「過去」と比べて「今」できることが増えていれば、それは1つの成長です。「今、ここにいるお子様」と「昨日までのお子様」を比べてみてください。毎日できることは少しづつ増えていると思います。ゆっくりと成長し続けているお子様に目を向け、日々の変化に気付いていけるといいですね!
東戸塚教室では、ゆっくりと成長し続けているお子様の日々の変化を保護者さまと共有していきたいと思います。
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こだわり、学習遅滞、不登校、多動、注意散漫、音に敏感など、お子さまの発達・成長・学力でご不安なことがありましたら、ご相談ください。
・準備や時間管理が苦手
・空気がよめない
・こだわりがあり学習にも偏りが多い
・意外なことで突然癇癪を起す
・不登校で勉強が遅れている
・算数や国語の問題内容をイメージするのが苦手
放課後等デイサービス オレンジスクール東戸塚教室
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※自治体の助成により無料もしくは低額にて療育・学習指導が受けられます。
まずは、区役所/相談支援事業所/当事業所にご相談ください。
※放課後等デイサービスは、「放デイ」「放課後デイ」「放課後デイサービス」と略して呼ばれてもいます。