強度行動障害を知ろう
みなさんこんにちは。オレンジスクール藤沢教室です。
今回は「強度行動障害」についてお話しさせていただきます。
強度行動障害とは
強度行動障害とは、本人・周囲の人々の暮らしや生活に影響を及ぼすような行動が著しく見られており、特別な配慮が必要な状態を言います。
「障害」と名がついていますが、もともとその人が持っている障害ではなく、その人の「状態」のことを言います。
実際どのような状態が見られているのかについては個人差がありますが、例としては以下のような状態が挙げられます。
- 自傷(頭を打ち付ける、叩くなど)
- 他害(頭突き、噛みつく、蹴るなど)
- 強いこだわり
- 物を壊す
- 睡眠の乱れ
- 異食
- 多動
など
このような行動障害は生まれてすぐ見られるわけではありません。個人差はありますが、多くは中高生以降(思春期以降)に支援が難しい行動が増加する傾向にあります。
この時期は体の成長も著しいため、他害や自傷行為への対応が困難になるケースが多くあります。
原因は?
ではどうして行動障害として出てくるのでしょうか。
みなさんは氷山モデルをご覧になったことはありますか。
氷山モデルとは自閉スペクトラム症などの特性を持った方のさまざまな行動を水面上にでている氷山の一角にたとえ、見えていない水面下の要因に着目する考え方です。
水面下の要因としては「本人の特性」や「環境的な要因」が挙げられます。
このような要因が相互的に作用することによって、水面上の目に見える「行動」として現れてきます。
氷山モデルの考え方からすると、行動障害の方の目に見えている「行動」の裏にある、「本人の特性」や「環境的な要因」が作用して行動障害として出てきていると考えられます。
また、本人は自分の気持ちや要求をなんとかして伝えようとして「行動」を起こしたとします(例:食べたいものがあるときに隣にいる人を叩く)。
それを周りの人は無理やり止めたり、逆になんでも認めてしまったとします。
このような経験を積んでいくことで誤学習が生まれ、激しい行動で気持ちを表現するようになり、行動障害として現れることもあるのです。
行動障害として現れると家族や支援に関わる人の困り感も見られますが、一番困っているのは「本人」でもありますね。
当事者が困り感なく生活していくことを目指して支援に繋げ、周りの理解があることで当事者の困り感は減っていくのかもしれません。
支援について
行動障害のお持ちの方の中には自閉スペクトラム症の特性を持った方が多く含まれています。
自閉スペクトラム症の特性として
- 社会性の特性 :他者や周囲への関心の薄さ、言われたことを字義どおりに理解するなど
- コミュニケーションの特性:表情や視線で感情や状況を感じ取ることの難しさ、一度にたくさんの情報を理解すること困難さなど
- 想像力の特性:初めての経験や場所が苦手、興味関心の偏りなど
- 感覚の特性:特定の感覚への過敏・鈍麻
などが挙げられます。 このような特性の方が安心して過ごせるような環境を設定したり関わりを持ったりすることが重要です。
支援者としてできることをご紹介いたします。
①環境を分ける
1つの場所で複数の機能があると「ここで何をしたらいいのか」ということに対して不安に感じられる方がいます。そのような場合にはパーテーションや机の配置を変えて場所を区切り、1つの場所に1つの役割を与えます。
ここは「ご飯を食べる場所」、ここは「休憩する場所」などと場所を区別することで、不安感を和らげることができます。
②視覚的な支援
特に自閉症の特性を強く持っている方は視覚的な情報があると理解がしやすいことがあります。そのような場合には
- 言葉だけでなく絵や写真、実物で情報を伝える
- 重要な情報を色付けたり大きくしたりして強調する
- 物の配置を順序立てて配置する
- どのような活動があるのか、流れを順番に示す
などの工夫があると安心して行動できることがあります。
最後に
行動障害のある方にとって地域や社会の中で自分らしく過ごしていくこと、楽しく生活していくことが目標となります。
そのためには周りの配慮や理解、地域との連携が必要と言われます。
オレンジスクール藤沢教室も地域の一資源としての役割を果たしていけたらと思います。
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- じっとしているのが苦手
- 整理整頓や準備、時間の管理が苦手
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- 他者の気持ちを理解することが難しい
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