どうして同じことばかりするの? ~こだわり行動~
「どうして電車ばかり並べて遊んでいるのだろう・・?」
「虫の図鑑ばかりみているな‥」
「ひたすら絵を描いている・・」等、興味や行動が限定されている「こだわり」についてお話したいと思います。
まず、自閉症(ASD)の基本的な症状として以下のものがあります。
- 社会的困難・・コミュニケーションの障害(空気が読めない、対人関係が築けない)
- こだわり・・・興味行動の限定(特定の物のこだわり、儀式的行動))
- 感覚の困難・・感覚過敏 / 鈍麻(触覚過敏、視覚過敏、聴覚過敏など)
こだわり行動とは・・・
興味と行動の限局のことを言います。
例)おもちゃを一列に並べる ・物をひっくり返す ・決まった手順に固執 ・儀式化された言語 ・範囲が狭く、集中が深い強い興味や関心 ・過度に物のにおいを嗅ぐ ・過度に触る ・光や物の動きを夢中で追っている・・・等々。
どうしてこだわり行動をするの?
感覚に困難があると・・・・一般の人よりとても疲れやすい。
(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚・・様々な感覚情報を過剰に受け取ってしまうので・・)
こだわり(好きなこと)をしていると・・・
注意力を100%向けられる ⇒ そのほかの感覚情報がシャットダウンされる = 感覚刺激が減る!=つらくない!
こだわり行動はわがまま、迷惑な行動ではなく・・・
疲労の回復、過剰に入ってくる感覚情報の適正化をしている行動と言えます。(自己調整行動)
こだわり行動への対応(切り替え方)
こだわり行動は、決してわがままな行動ではないので・・・叱る、取り上げるはNG対応となります。
長期的対応としては・・こだわり行動に参加してみる。
例)プラレールに熱中 → 隣でプラレールで遊ぶ
図鑑をずっと読んでいる → 隣で図鑑をずっと読む
ご本人が興味を持つことを通して、ご本人の世界に入ることで、ご本人が自発的にコミュニケーションをとり始めます。(「ジョイン」という米国の療育プログラムです)
ポイントは・・・近すぎず(適度な距離をとって)アピールせず(自発的にこちらに来るまで待つ)
アイコンタクトを大切に(向こうからアイコンタクトがきたら、ニコッとアイコンタクトを返す)です。
又、時間はある程度かかるかもしれませんが、こだわり行動を満たしてあげることで、次の行動にいくこともあります。
短期的対応としては・・・
こだわりと同等に注意を引くものを与える(楽しい行動なら切り替えられることが多い)
例)・お片付けはゲーム感覚で競争にする
・ぬいぐるみを介して伝えるなど
時間ではなく、活動のタイミングで切り替える
時間で切り替えると・・こだわりを切ってしまうので自己調整ができなくなり、パニックになる。
例)ブロックで一つ作る → 切り替え
本の第一章まで読む → 切り替え
こだわり行動をする理由が、疲労の回復、過剰に入ってくる感覚情報の適正化をするためだと理解することが大切だと思います。
又、継続的にこだわり行動に参加しご本人の世界に入ることで、感情表現が豊かになったり信頼関係がより築けたりしたら素敵ですね(^^)
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