
自分の気持ちと相手の気持ち

夏休みが明けてから間もなく一ケ月が経ちますが、お子様が学校等でトラブルなく過ごせているか心配といったお悩みはありませんか?
当教室では、対人関係において必要とされる、「ソーシャルスキル」を鍛えるための「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」 を取り入れた支援を行っております。
学校や身近な人とどのようにコミュニケーションをとっているのか?
どのような壁にぶつかっているのか?
どんな支援が必要なのか?
といったことを、日々の支援やコミュニケーションを通して明確にし、一人ひとりに必要なトレーニングを行っています。
今回は、当教室で行っている取り組みや、大切にしている視点についてお話ししたいと思います。
子ども同士のトラブル

- からわれてカッとなって手を出してしまった
- 言わなくても良い事を言ってしまい、相手を怒らせてしまった
- ルールや約束を破ってしまった
子どもたちのトラブルでよく聞かれる例ですよね。
トラブルを起こしてしまうと、「また失敗してしまった」「一緒に遊びたかっただけなのに」と起きてしまった出来事に落胆してしまい、
「なぜ相手が怒ってしまったのか?」「次からはこうしよう」と冷静に状況を振り返って考えを改めることは、大人でも少し難しさを感じます。
気持ちのコントロールが難しい、相手の気持ちを考えて行動することが苦手な子どもたちにとって、トラブルをを自力で解決する事は難しいですよね。
大人と一緒に状況を振り返り、客観的に見た様子を伝えたり、どのようにすべきだったか考えることが大切です。
「なぜその行動をしたのか」「どうしてそう思うのか」という視点で、子どもの考え方を探るようにしてみると、考えられるアプローチが見えてきます。
他者の気持ちを想像する
相手や状況に合わせてどのように行動すべきかを考える力、これらは感覚的に習得していくものであることが多いです。
いわゆる「暗黙のルール」であることも多く、ルールに倣って行動することが安心に繋がる自閉症のお子様や、相手の気持ちを読み取る事が苦手なお子様には大きな課題となります。
気持ちを想像することが難しいお子様の場合、状況を読み取ったり、先のことを想像する力も乏しい事があります。
こちらは、状況を読み取ったり気持ちを読み取るための訓練として、机上で行っている課題の一例です。

身近で起こりうる様々な感情にまつわる場面を提示し、表情や言動からどんな気持ちなのかを想像してもらいます。
一見簡単そうに見える課題ですが、「自分以外の視点を持つ」「相手の立場に立つ」という事が難しいお子様もいます。
登場人物や、それぞれが何をして何を言っているのか整理し、「自分だったらなんて言うかな?」と考えていただいています。
これらの課題以外にも、日々の療育や何気ない会話を通して、支援者側が思っている気持ちや状況を言語化して伝える事も大切にしています。

「手伝ってくれたんだね、大変だったから助かったよ。」
「何も言わずにいなくなってしまったから、びっくりした。何かあったのかと思って心配したよ。」
というように、その時していた行動や状況+思ったことをお伝えするようにしています。
相手が感じていたことを、言われることによって初めて知り、「そう思っていたのか・・」と考えるきっかけになります。
表情や言葉、声のトーンを読み取り、相手の気持ちを推測する力が身に着くように、何気ないやり取りも大切にしています。
人との適切な距離感とは?空気を読むって?
子どもを取り巻く環境として、仲のいい友達やクラスメイト、先生、家族、知り合い、初対面の人など、様々な人と関わりあって生活していますよね。
そして、その人との関係性や状況によって、距離感や話し方、話す内容に気を付ける必要があることを自然に学んでいると思います。
しかし、相手を不快にさせてしまう距離の詰め方や不適切な言動が多いお子様の場合、相手の反応に目を向けたり行動を制御する事に難しさを抱えている事があります。
「相手の反応はどうだったかな?」「どうしたら相手を不快にさせずに話すことができたかな?」と尋ねる事で考えるきっかけを増やしたり、客観的に見た状況をお伝えしたりしながら、その場の雰囲気を感じ取る練習をしています。
言っていい事と悪い事の区別が付いていない場合は、具体的な場面を提示しながら言葉が与える影響について学んでいただいております。
相手が傷つくような直接的な言い方(例、「その洋服似合ってないよ」と面と向かって言う)をしてしまうことによって起こるトラブルや、その時の相手の気持ちの変化についてお伝えするようにしています。
中高生に向けた支援
学年が上がると、より社会的に適切な行動が求められるようになりますが、お子様自身の固定概念や人との接し方がある程度固まってしまっている事が多く、頭を悩ませる親御さんも多いのではないでしょうか。
当教室では中高生を中心に、相手からの見られ方や適切な返答や言動について学ぶSST課題にも取り組んでいただいております。
- 物事をストレートに言ってしまう
- SNSの利用を含め、人との距離感が保てない
- 相手の意見に共感することが出来ず、否定ばかりしてしまう
- 苦手な人だからといって無視をしてしまう
- ネガティブな感情を相手に伝えられず我慢しすぎてしまう(相手に合わせてしまう)
このような悩みや課題に沿って、様々な状況毎にロールプレイを行ったり、一人ひとりの考え方を確認し、客観的な意見や社会的に好ましい行動について考えるワークを取り入れています。
人にはそれぞれの考え方があるという認識や、意見を言うときには伝え方に気を付ける必要がある等、社会的行動を少しずつ身につけられるよう、一人ひとりのペースに合わせた支援を心掛けています。
最後に
これらの支援を行うとともに、お子様自身が自分の性格や得意不得意について知っておくことも、行動を振り返る際に重要となります。
「わたしってこんな子」と、苦手な場面や気になってしまう事を把握しておくことや、自分の考え方・特性を知ることで、状況によって気を付けなければならない事を準備することが出来るようになりますよね。
対人関係において「苦手だな」と感じる場面などを把握することは、自分の弱みや課題を知っておく「安心」にも繋がります。
支援者側としてお子様一人ひとりの特性や困り感を捉える事で、少しでも周囲の人々と良好な関係・環境でお過ごしいただけるような支援をしていきたいです。
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こだわり、学習遅滞、不登校、多動、注意散漫、音に敏感など、お子さまの発達・成長・学力でご不安なことがありましたら、ご相談ください。
・準備や時間管理が苦手
・空気がよめない
・こだわりがあり学習にも偏りが多い
・意外なことで突然癇癪を起す
・不登校で勉強が遅れている
・算数や国語の問題内容をイメージするのが苦手
放課後等デイサービス オレンジスクール藤沢第2教室
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