本を通して語彙力を伸ばそう
前回ご紹介させていただきました語彙力のお話について書かせていただきます。
前回の内容⇒スモールステップで語彙力を伸ばそう
語彙
まずは前回に引き続き語彙の必要性についてです。
語彙力が問題視されている理由は様々あります。
本日もその理由の1つを挙げさせていただきます。
・PISAから見る語彙力の必要性
※PISAとは国際的に見た子どもの学力実態調査のことです。
現在、PISAで行われた読解力の低下が問題とされています。
「自分の考えを説明する」ことが日本人は特に苦手だと言われています。
しかし、これは以前から言われてきた問題なのです。
改めて問題視されてきた理由としては、日本人のインターネットの利用時間が増加傾向にあるからとされています。
情報社会と言われる現代で、子どもたちのスマートフォンやパソコンに触れる機会は増えています。
インターネットを活用する上で的確に言葉を理解し、自分の考えを形成する必要性があります。
そのためには『読解力を支える語彙力を強化しなければならない』というのが文部科学省の考えなのです。
教室での事例
前回ご紹介したように新しい語彙の獲得方法は様々あります。
本日も教室で行っている事例を1つ紹介させていただきます。
語彙の獲得の1つの手立てとして、子どもに合った絵本や文章に親しむことで語彙の拡大できると言われています。
特に『本の読み聞かせ』は有効的と言われています。
子どもが行う黙読や音読はもちろん効果がありますが、それらとは違った効果が読み聞かせには期待できるのです。
例えば感性の豊かさ、想像力の育ち、また集中力の向上にもつながります。
また、文字を読む力をつけるだけではなく、話す力や理解力をつけるためにも非常に重要です。
藤沢教室では市民図書館の本をお借りしています。
毎月違う内容の本を教室に置かせていただいているため、子どもたちは興味津々です。
特に低学年のお子様は「先生、読んで」と本を持ってきてくれる機会があります。
先日、お子様との関わりのなかであった出来事です。
『そっといいことおしえてあげる』という本をを読み聞かせをしている際に
「きどるってどういう意味?」とお子様が尋ねる場面がありました。
意味伝えると
「はじめて聞いた!」と驚く様子がありました。
また、ある時には本を一緒に読んでいた際に
「けんまくってなに?」と尋ねるお子様がいらっしゃいました。
そのお子様は国語辞典の引き方を習っていたため
「調べてごらん」と国語辞典を渡すと一生懸命に調べる姿がありました。
本は知らない言葉や興味のある言葉に触れることができます。
特に『読み聞かせ』では音読や黙読に比べ、内容に集中し本の世界を楽しむことができます。
“知らない言葉”や“興味のある言葉”を発見し、子どもの「知りたい!」を膨らませることができるのです。
読み聞かせは「幼少期まででは?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
幼少期はもちろん、小学生のお子様にも読み聞かせは効果的とされています。
お子様の年齢に合わせて本の種類を変え、語彙力の向上を図ってみてはいかがでしょうか。