言葉が少ない… ~色んな感覚から思い出してみよう~
こんにちは。オレンジスクール鶴見教室です。
夏休みが終わった学校が多いですね。
とても短い夏休みでしたが、その分1日ごとの内容が濃かったようで、お子さまからはコロナの感染に気をつけながらも「○〇したよ!」「○○に行けた!」など多くの体験を聞くことが出来ました。
学校再開からの慌ただしさから少し休憩できたのではないでしょうか。
さて今回は、鶴見教室で時折おこなう、「作文を書くのが苦手」「言葉が2語文でしか話さない」等のお子さまへの支援のなかで発見したお子さまの物事への見方についてお話します。
最初に
まずどんな学習か説明します。
- 白い紙を用意する。
- 決められた色から連想する物を時間内に沢山書き出す。最初は図鑑や教室を回って探してもいいことにする。
- 大人も行う。
- お互いにどんなものを書いたかを発表し合う。
非常にシンプルですが、色以外にも音や味、数など幅を広げやすい学習です。
独特の見方や一般的な見方
上記の学習を行っているとお子さまの見方が違うことが分かりました。
■例えば、「緑の物」というお題の時に
・最初に「たぬき」と書いた子がいました。これは「カップ麺の緑のたぬき」と言うことでした。
葉っぱやピーマンなどは出ますが、素晴らしい発想でした。今後この子には「緑のたぬき」と言うだけでカップ麺の話をしていることがすぐに伝わることが分かりました。
■「青い物」というお題の時には
・職員がプールと書いたところ、お子さまからは「プールは青くないよ」と指摘されました。しかしながら、この時職員もその子も「海」は青い物として書いていました。
この子からは、青い海をキレイだと思う一般的な考えが身についていることが分かりました。また職員がプールに対するイメージが青だったこともお子さまと感覚の違いを話し合うきっかけになりました。
違いを共有する
以上のことから、それぞれに見ているものや記憶の仕方に違いがあることが職員とお子さま双方に分かりました。
注意したいのは基本的にその子の書いたものは否定せずに受け入れることでした。書いた物に対してどんなイメージを持っているかを話し合うと、よりその子の視点を理解しやすくなります。
前回に引き続き…
さてここからは前回の「想起する力」に関するお話に付随した話となります。
「想起する力」とは「思い出す力」とも言えますので、頭の中で必要な情報の引き出しを開けられるか、またその引き出しがどれくらい多いかが重要になります。
例えばお子さまが「リンゴ」という言葉を覚えたとして、リンゴから派生する感覚が多ければ多いほど、想起するのが容易になります。
■リンゴ
音:ゴロゴロ、包丁で切ったらサクッと音がする
味:甘い
色:赤、中は白、青いのもある
Etc..
子どもを理解することで言葉もつながる
多くの感覚が言葉とモノをつなげることになります。もしそれらが大人とお子さまで違っていたら、相手の頭の引き出しを開けることは出来ません。
色んな事を体験し、そこから得た感覚を共有し名前を付けていくことで語彙の獲得を目指していきます。
最後に
お子さまのいる世界は、大人より多くのや音・匂いなど様々な情報で満ちています。実際に話してみると大人よりもより敏感に捉え学習していることがあり我々も驚きます。
その違いを話してみると、お子さまが今後どんな風に物事を捉えるのかのヒントになります。
過去の記事でも「お子さまとお話してみてください」と書いていますが、お子さまの見る世界を知れば、話題の提供の仕方や言葉の引き出し方も変化すると思います。