
「お断り」できる力を身につけよう!~教材3選とアプローチ方法~

こんにちは!オレンジスクール鶴見教室です。
みなさんは、誰かから頼みごとやお願い、もしくはお誘いがあった際に「お断り」をされるとき、どのようにお伝えしていますか。
せっかく声をかけてくれたのでお受けしたいけれど、ご都合によって「断らなければいけない」場合にはどうされているでしょうか。
特性を持つお子さまのなかには、断ることに苦手意識を持たれている方や、難しいと感じてもさまざまな理由で相手に伝えられず、結果疲弊してしまう場合がございます。
「相手の気持ちを優先する」ことは、ご自身の可能な範囲でできたらとても素敵なことですよね。
ですが、社会生活において、「都合がつかなかった」または「対応できない程の難しさ」だったときに「できません」と伝えることは、ご自身の心身を守るためにも非常に大切なスキルとなっています。
そこで、今回はお断りの言葉を伝えられる支援方法として、教室で行っている教材とアプローチ方法についてご紹介したいと思います。
断ることが難しいと感じる理由

そもそも、「断る」ということに難しさを感じているお子さまは、どのような理由からそう感じるのでしょうか。
例えば、
・断りたいけど、伝え方がわからない
・自分の気持ちにぴったりな言葉が見つからない
・断ったらどう思われるかが心配、嫌われるのが怖い
・何について言われているのかわからない
・自分で決めることが難しい、優柔不断になる
上記の理由から、断ることに自信を持てずはっきりと伝えられなかったり、理解する前にとりあえず「はい」と言ってしまったり、長い話や遠回しな言い方をされると結局どのことへの判断を必要とされているのか分からなくなってしまう傾向があります。
また、緊張しやすい性格であったり、予期せぬ状況での判断で強い不安を感じてしまう、聞き取る力の難しさがあること等も要因としてあげられます。
教材のご紹介について

今回は教室で使用しているソーシャルスキルトレーニング(SST)に関する教材から、「お断り」ができるようになることに役立つプリントを3つご紹介していきたいと思います。
①聞き取り練習
②選択問題
③断ることを想定した質問
①聞き取り練習
この教材では、職員がお子様にクイズ形式で質問をしたり、身近な物に別の言葉を加えて聞き取りにくくアレンジを加えた言葉を読み上げて出題したりします。
聞き取りにくい言葉や、「言葉のあや」のような絶妙なニュアンスを含んだ表現を集中して聞き取る練習をすることで、耳が鍛えられて正確に内容を把握できるようになります。

②選択問題
人によってはどちらも難しく感じる選択が多く出題されますが、それぞれの利点、欠点を洗い出すことによって、自分だったらどこまでが許せるか、どこからは難しいかを判断する練習となります。
得た情報から自分で判断する基準を決めることで、可否の線引きができるようになります。

③断ることを想定した質問(ロールプレイング)
自分の気持ちを伝える際に誤解なく話せるよう、さまざまな場面を想定した質問を考えていきます。自分の気持ちが乗らなかったときや、遊ぶ予定でなかった人に誘われたとき、ほかの遊びに変えたくなったとき等、相手と相談しつつお互いが納得できるようなやり取りを練習します。
お断りの文章を書き終えたら、実際に状況を再現しながら職員とロールプレイングを行い、自分の気持ちを伝えることを繰り返します。そうすることで「お断り」への抵抗感を軽減させていきます。



伝えることに慣れてきたお子さまや、「断ると相手を傷つけてしまうのでは…」「嫌われたらどうしよう」と不安を感じたりするお子さまには、一言目に「クッション言葉」を使用することをお勧めしております。
時と場に応じたクッション言葉を使えるようになることで、会話の角が立ちにくくなるため、断ることへのハードルが下がり、気持ちも軽くなります。
<クッション言葉一例>
・~なんだね、ありがとう。でも、
・~してくれて、嬉しいです。ですが、
・本当は~なんだけど、今回は、
「週末に遊ぼうと誘われたけれど、予定があるため断りたい」というときには、「無理!」「できない!」と端的にお伝えするよりも、「誘ってくれてありがとう。一緒に遊びたいけど、週末は予定があるんだ。また別の日に遊ぼう。」と柔らかくお断りの言葉を伝えられると、その後の関係性も円滑に進みやすいのではないでしょうか。
おわりに

今回は3つのSST教材を通して、難しい相談や迷ってしまう依頼等から「お断り」をすることに慣れていくためのアプローチ方法についてご紹介しました。
①正確な聞き取りと認識をする
②基準を決めて判断する
③自分の気持ちを整理して、言葉を考える
④実際に伝えてみる
もしお子さまのコミュニケーション面で気になることがございましたら、ご家庭でもクイズ形式で問題を出して遊んでみたり、会話の中で取り入れたりしてみてはいかがでしょうか。
鶴見教室では今後も、お子さまに寄り添った支援を行ってまいります。
お子様のこだわり、学習遅滞、不登校、多動、注意散漫、音に敏感、コミュニケーション等に関することで、お悩みや不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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