言葉の発達による世界の広がり
こんにちは。オレンジスクールピコ溝ノ口教室の石黒です。
幼稚園や保育園から帰ってくると今まで知らなかった言葉を覚えて帰ってくることはありませんか。
先日の投稿では「コミュニケーション」についてお話がありましたがそれに引き続き、今回はコミュニケーションツールの1つである「言葉の発達」についてお話しさせていただきたいと思います。
言語は世界の国の数より多い!!
意思の疎通を図るためには、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションを使用することが知られていますが、言語的コミュニケーションを行うためのツールである「言語」は、約6,800語ほど存在しているそうです。
子どもたちはどのように言葉を獲得していくのでしょうか?
子どもの言語発達のスタートは?
ことばの発達のスタートは、なんと、お母さんのお腹の中にいる段階から始まっているそうです。驚きですよね。
胎児はお腹の中でお母さんが話す「母語」のイントネーションやリズムを聞きいており、生まれてくると外国語よりも母親の話していた母語を好んで聞く傾向にあると考えられています。また、他の大人と母親の声を聴き分け、お母さんの声に選択的に耳を傾けていると考えられています。
ことばを発する前はどうしてるの?
ことばを発するようになるのは生後1歳頃といわれています。それまでの期間は「前言語期」と言われ、赤ちゃんは泣いたり、身振り手振りを使ったりと非言語コミュニケーションによりお母さんに自分の状態を知らせようとします。そして、交互にやりとりをしていく中でお母さんとの信頼関係を築いていき、コミュニケーションの仕方も学んでいきます。
ことばの発達段階
前言語期を過ぎると少しずつ言葉の獲得をしていく段階に移ってきます。順を追ってその様子を見ていきましょう。
1)発声の練習期間
生後1か月までは「泣き声」が主体となりますが、生後2か月頃からは「クー」、「ウー」と喉を鳴らすような「クーイング」をするようになり、生後6か月頃になると「バ・バ・バ」と「喃語」を発するようになります。
この時期は、口や喉の発声器官が発達していく段階であり、言葉を獲得するための準備期間であると考えられています。
また、生後9か月頃からは大人に何かを伝えるための「指さし行動」や、大人が指さした先を見て共通のものに注意を向ける「共同注意」が見られるようになり、「犬=ワンワン」と対象物と音の対応付けをするための技能を身に着け始めます。
2)徐々に言葉を発するようになる
そして、1歳頃になると初めて意味のある言葉「初語」を発するようになります。養育者であるお母さんを「マンマ」と言うようになったり、「ニャーニャー」と動物の名前を覚えたりと「一語文」を発するようになります。
喃語との違いは言葉に意味が伴っているというところが大きく異なってきます。また、言葉の獲得は身近で普段より耳にする回数が多いものから徐々に増えていくと考えられています。
3)言葉の爆発!!
初語を発するようになり少しずつ言葉の数が増えてきます。そして1歳半頃を境に、獲得していく言葉の数が急激に増えていき始めます。
これを「言葉の爆発(語彙爆発)」といいます。
さらに2歳頃になると「一語文」から「これ、りんご」といった「二語文」を発するようになっていきます。初期の段階では助詞が抜けた文を発します。そして徐々に、「ワンワン が きた」と発話文も話せるようになっていきます。
4)複雑な発話が可能になる
3歳頃になると、二語文からさらに複雑な文章を使って発話をするようになります。簡単な挨拶や疑問文、「今日〇〇いった。」といった過去の表現など、さまざまな表現ができるようになります。
5)読み書きができるようになる
4歳頃になると文字の「読み書き能力」も発達していきます。はじめは文字を読むことから始まり、徐々に読めるようになった文字を書きだすことができるようになっていきます。
6)言葉で自分の行動を振り返る
5~6歳になると日常で使われる表現はほとんど理解し使うことができるようになっていきます。
また「〇〇ちゃんはきっとこうなんだよ!」と相手の気持ちを考えたり(推論)、「あの時はごめんなさい」と自分の行動を振り返り反省することができるようになっていきます。
加えて「好き・嫌い」、「おもしろい・怖い」など抽象的な概念を理解するようにもなっていき、学校教育を学んでいくための準備が整っていきます。
ことばの発達を促すには…?
今見てきたように、子どもたちは多くの段階を経て言語能力を発達させていきます。では、言葉を獲得していく際に私たちはどのような関わり方をしていけばいいでしょうか。
時に子どもたちは「パパの、きた」など言葉を間違って使うこともありますよね。
そんな時は、間違いを指摘して否定するよりも、一生懸命言葉に表している様子を受け止めて、正しい表現で伝え返すといった関わりが大切になります。
例えば「ほんとだぁ!!パパがきたね~!!」と伝え返してもいいと思います。
また、こちらが具体的な内容を尋ねるときは、「閉ざされた質問(ハイ-イイエで答えられる質問)」よりも「開かれた質問(具体的な説明が必要な質問。)」を使い、子どもたちが自由に言葉を表現できるような関わりをすることが有効とされています。
「〇〇ちゃんはどうしてライオンが好きなの?」と質問し、自由な表現で答えてもらった内容を受け止め、正しい表現を伝え返すといったやりとりが大切になると思います。
最後に・・・
子どもたちは日々試行錯誤しながら急速に成長していきます。
そんな子どもたちの「成長の力」を信じて寄り添うことが大切だと思います。
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