情緒はどう発達するのか?
こんにちは。オレンジスクールピコ溝ノ口教室の石黒です。
子どもは様々なものに興味を示し、それに対して「笑ったり」、「泣いたり」、「驚いたり」、「怒ったり」と表情豊かにその時の気持ちを表現しますよね。
今回は子どもの「情緒の発達」についてお話させていただきたいと思います。
情緒とは…
「情緒」とは物事に触れて起こる様々な感慨(気持ち)と訳されます。
似たような言葉には「情動」という言葉があります。
これは「激怒、喜悦、恐怖、悲観」などの言葉で表されます。
発汗や心拍数の上昇などが見られ生理的な意味合いが強く、より瞬間的な反応として用いられ、情緒も同じ意味合いとして理解されています。
情緒はどのように発達していくのか
子どもたちはどのように情緒を発達させていくのでしょうか?
情緒発達についてはルイス(Lewis,1877~1954)の研究が有名です。
(参考文献:恥の心理学-傷つく自己)
ルイスの研究では以下のように考えられています。
出生時の段階で、
・「満足」、「興味」、「苦痛」
の3つの感情がすでに備わっていると考えられています。
そしてこの3つの感情を基に生後6か月頃までに
・「満足」から「喜び」
・「興味」から「驚き」
・「苦痛」から「悲しみ」と「嫌悪」、さらに「怒り」と「怖れ」
という感情が形成されていきます。これらの感情は「基本的情緒」と呼ばれます。
1歳半頃になると、自己意識(自分自身に意識を向けること)が芽生え始めることから
・「照れ」、「羨望」、「共感」
という感情が形成されていきます。
2歳~3歳頃になると、親や周囲の人からどのようにみられているかといった「他者の認識」の発達に伴い
・「誇り」、「恥」、「罪悪感」
という感情が形成されていきます。
このように出生から3歳頃にかけて自分の気持ちを表現する方法を身に着けていきます。
相手の感情を理解する
様々な感情が形成されていくことで自分の気持ちを表現する方法が身についていきますが、4歳頃になると、相手の気持ちも徐々に理解できるようになっていくと考えられています。
相手の気持ちや考えを推測したり、相手の立場に立って物事を考えることができるようになるための機能を「心の理論」といいます。
この機能が発達していくことでお互いの気持ちを共有することができるようになり、相互的なコミュニケーションが可能になっていくと考えられています。
心の理論の研究では、「サリーとアン課題」が有名です。
情緒の働き
情緒が発達していくことで、乳児期では母親に自分の状態を知らせる働きかけができるようになり、母子関係の形成が促されていきます。
例えば、笑顔を見せると母親は笑い返し良好な関係を築き上げていくことができ、泣くことで母親に危機的な状況から助けてもらうことができます。
そして幼児期には相手の気持ちを理解することで、感情のやりとりが可能になったり、その場に合った行動ができるようになったりと、社会性が少しずつ培われていきます。
気持ちを言葉で表現すること
自分の気持ちを言葉で表現することができるようになっていくと、徐々にその感情に伴った行動をコントロールできるようになっていきます。
しかし、幼児期の段階ではまだ自分の気持ちを理解したり、上手く言葉で表現することが苦手な子もいます。
そんな時には大人が本人の気持ちを代弁してあげることが大切になります。
そうすることで子どもは自分の気持ちを理解し適切な感情表現の仕方を少しずつ学んでいくと考えられています。
例えば、駆けっこで負けてを大泣きしている子に「悔しかったよね。」と伝え返すことで「自分は悔しかったんだ。」と自分の気持ちを理解していきます。
最後に・・・
大人でも自分の気持ちに気づいて言葉にすることは難しいですよね。
「この子は何を考えているんだろう?」「どうやって気持ちを伝え返せばいいんだろう?」など気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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