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漢字の学習方法の提案
2月もいよいよ中旬、もうすぐ学年・学校が変わることを意識する時期ですね。
同じメンバーで過ごす時間もあと少しとなった今、お子さん達の様子はいかがでしょうか。
さて、今月のブログでは『漢字』に関する学習プリントをご紹介したいと思います!
1.はじめに
漢字は小学校1年生から習い始める単元であり、苦手意識を抱える人も多いのではないでしょうか。
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ところで皆さん、小学校で漢字を何文字習うかご存知ですか。
- 1年生:80字
- 2年生:160字
- 3年生:200字
- 4年生:202字
- 5年生:193字
- 6年生:191字
各学年で習う漢字は上記のように文部科学省が発行する学習指導要領には定められており、これらの合計は1026字となっています。
漢字は単純に覚えるだけではなく、“書けるように”なり“読めるように”なることが求められます。
読み方も1つの漢字に1つではなく音読み・訓読みと分かれており、
更にその中でも沢山の読み方をする漢字があります。
例えば3年生で習う漢字の『重』ですが、これにはどんな読み方があるでしょう。
『おもい』や『ジュウ』などは比較的すぐに思い出せるでしょうか。
しかしその他にも『え』『かさねる』『かさなる』『チョウ』といった読み方があります。
なかには『今日』『明日』『七夕』『一日』のように熟語になると特殊な読み方になるような漢字もありますね。
更に他にも、単語や熟語を学習してそれらの意味も覚えていかなくてはなりません。
このように、単に漢字の学習と言ってもその内容は膨大にあるため、
漢字を覚えて使うことに苦手意識を持つお子さんは少なくありません。
藤沢教室に通うお子さんにもそれぞれ
- 書くことが難しい
- 読むことが難しい
- 同音異字が難しい
- 似た漢字を間違えて書いてしまう
などといったような声を聞くことが多くあります。
そこで藤沢教室ではそれぞれの困り感や苦手さに合わせた教材づくりを行っています。
本日は教室で制作している教材の中から3点、ご紹介させていただきます!
2.読みの教材
まずご紹介させていただくのは読みの教材です。
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こちらは単元ごとに習う漢字を抜き出しており、その漢字の読み方が書いてある教材です。
何もヒントがない状態で読みのテスト問題に挑戦することは難しくても、
読み方が書いてあり、それを基にして考えることで取り組みに対するハードルが下がります。
実際にお子さん達の様子を見てもテスト問題に対しては忌避観を感じていても、
「このプリントならできるかも!」と前向きに取り組んでくれる様子を見ることができました。
また、先に示した教材以外にも、別の学年の教材もご用意しています。
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これらはそれぞれ3年生、4年生の漢字の読みの教材です。
読み方が示してありそれを基に考えることのできる教材、という点で共通したものとなっています。
これらの教材は単語を並べるだけではなく、文章の中で単語を学習できるようにしています。
つまり、実際に単語をどのようにして使うのかも分かる、ということですね。
ですが今回読んでもらいたい対象の単語以外の、文章中の単語で
読めない・難しいものがあると学習に対してハードルが上がりますよね。
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上の写真ですと、読んでもらいたい対象の単語は『お道具箱』ですが、
対象外の『持ち帰る』が読めないとハードルが上がる、ということです。
ですので、上の写真のように対象の漢字以外の単語には内容に応じて振り仮名を振ることで、
難易度の調整も行うというような工夫も行っています。
3.同音異字の教材
続いてご紹介するのは同音異字の教材です。
同音異字とは、“同じ音の読み方をするが、字が異なる漢字”のことです。
『例』『礼』『令』『冷』はどれも『れい』と読む、同音異字ですね。
この同音異字を学習する教材として藤沢教室で手作りしたプリントがこちらです。
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見ての通り、こちらの教材は選択問題という形式をとっています。
この形式をとることで、自分で思い出して書くという難しめの教材よりも取り組みやすくしています。
〇をつけるだけという形式はお子さんにとっても取り組みやすいものであり、
更に間違え直しもやりやすいようです。
また、写真にて提示させていただいた教材は全ての問題が同音異字の問題になっている訳ではありません。
上の写真では、問題の『マン』という読みの中に『円』を混ぜることによって、
「これは絶対に違う!」と自信を持って解答できるようにしています。
お子さん達がこの形式に慣れてきた際には問題の一部を修正し、全て同音異字の問題に変更していきます。
お子さん達の習熟度に合わせて問題の量や難易度などを都度調整しています。
4.一部が同じ漢字の教材
『偏旁冠脚(ヘンボウカンキャク)』という言葉をご存知ですか。
漢字の構成要素の位置による呼び名のことですが、
偏(ヘン)は漢字の左側に位置するもの、旁(ボウ)は漢字の右側に位置するもの
などというように分かれています。
また、漢字を分類するものとして『部首』と呼ばれるものがあります。
部首はそれ自体がなんらかの意味を持つものとされており、部首によって漢字を仲間分けすることができます。
例えば『海』『波』『湖』などは『さんずい』と呼ばれる部首を持つ漢字であり、
この『さんずい』が部首となっている漢字には『水に関連する』という特徴があります。
漢字はその構成要素に同じ形を持つものが複数存在します。
上記に示した部首はその最も分かりやすい例です。
そして漢字を覚える際、この同じ形のものを混ぜて覚えてしまうということも度々起こります。
そこで藤沢教室では一部が同じ・似たもので構成されている漢字の問題を作っています。
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この教材は先程ご紹介させていただきました同音異字の漢字プリントと構成は似ています。
正しいものを選択する形式の教材となっており、取り組みに対するハードルを下げています。
一枚にかかる勉強時間も比較的短くて済むように問題の量も少なめにしており、
お子さん達にも視覚的に取り組みやすいと感じてもらえるようです。
また、この教材はパソコンを用いて制作しており、この教材を使用しているお子さんがどの問題でつまずいたのか、それぞれデータを取っています。
つまずいた問題がある程度たまった際にはそれらで新しくプリントを制作することで、
お子さん達の苦手に対してより寄り添ったプリントづくりを行えるようにしています。
5.最後に
今回はご紹介出来ませんでしたが、教室ではこの他にも
『視写』というお手本を見ながら漢字を書く練習をするプリントや、
中学校の単元別の読みの教材など多数の種類の教材をご用意しています。
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漢字の学習は先にも述べた通り、苦手と感じるお子さんが少なくありません。
教材の中にはひたすら書いて覚えるというようなものもありますが、
それが全てのお子さんに合う訳ではありません。
お子さんが一体何に対して「苦手だ」と感じているのか、
どんな学習方法が合っているのか、
どんな方法ならより取り組みやすいのかを考え、
ひとりひとりに合った学習方法を今後もご提供できたらと思います!
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こだわり、学習遅滞、不登校、多動、注意散漫、音に敏感など、お子さまの発達・成長・学力でご不安なことがありましたら、ご相談ください。
- じっとしているのが苦手
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放課後等デイサービス オレンジスクール藤沢教室
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※自治体の助成により無料もしくは低額にて療育・学習指導が受けられます。まずは、市役所/相談支援事業所/当事業所にご相談ください。
※放課後等デイサービスは、「放デイ」「放課後デイ」「放課後デイサービス」と略して呼ばれています。
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