
『伝える力』を育む
今回のブログでは、『伝える力』について紹介していきたいと思います。
教室に通っているお子さまの中には、自分が思っていることや考えたことを言葉にすることに苦手さがあったり、物事や感情に関する語彙が少ないために、読解問題や作文に躓きがあったり、コミュニケーションにすれ違いが生じたりする様子を見かけることがあります。
語彙を身に付けるのは、ほとんどが生活の中からだという説があるように、身近な活動の中には語彙力を伸ばすきっかけがたくさん潜んでいます。今回は、教室で行われている、語彙を身に付けることが出来るような遊びや、療育時間の中で相手に伝える力を伸ばせる場面について触れていきたいと思います。
ボブジテン
ボブジテンは、日本語を勉強しているボブが、カタカナ語を抜きに、カタカナで表記されている言葉について説明した辞書を作るという設定のゲームになっています。

出題者は、お題カードの指定の単語を見て、参加しているお友だちにヒントを出していきます。
例えば、『サッカーボール』を説明する時に、『スポーツで…』、『ボールを使った…』というヒントはルール違反!『体を動かす遊びで…』『白と黒の模様が付いた球を蹴って…』など、カタカナを使わない言葉を探して、正解を出せるようなヒントを出していきます。
集中力・注意力も使いつつ、語彙力を深めるきっかけ作りができるゲームとなっています。教室に通うお子さまも、お題を見て、「えっ!どうやって言えばいいんだ…」と頭を悩ませながら取り組む様子を見せてくれています。
説明お絵描きゲーム
このゲームでは、代表の人が指定の絵を言葉で表現し、他の参加者がその言葉から絵を推測してお絵描きをします。絵を描く力や想像力も必要ですが、特に説明をする人は、相手に伝わるような言葉で伝える力が重要になってくるゲームです。
例えば「雪だるまみたいな形で」、「色は緑で、小さな丸が上2つにある」といったように、具体的で、かつ日常的な言葉を使って説明をするように意識しなくてはなりません。
相手に伝わりやすいように考えたり、絵を見て汲み取ったことを言葉にしたりする力を伸ばせるゲームの仕組みなので、コミュニケーションの基礎を作るよいトレーニングにもなりますね。振り返りの際に他のお友だちの絵を見ることで、説明役の人にとっては「こんな風に伝わっていたのか!」という発見の機会にもなりますね。

クロスワード
言わずと知れたパズルゲームですが、クロスワードも色々な語彙に触れる機会となります。物事を説明した文章を読み、単語を連想して穴埋めをしていくことで、学びながら楽しむことができるゲームです。
問題を解く中では、知らなかった新しい言葉に出会うこともあります。違う向きからヒントを見つけたり、周囲からヒントをもらったりしながら答えに辿り着いた時には、その言葉も覚えやすくなりますね。

また、既に知っている言葉を言い換えた表現に触れることで、知っている語彙についてもより一層理解を深めることができるのではないでしょうか。文字数の指定を見ながら、色々な言葉を思い浮かべて推理するのも楽しいですね。
知っているルールをお友だちに紹介する場面
お子さま同士の遊びの時間では、一緒に遊ぶ前、まだルールを知らないお友だちに向け、説明する場面があるかと思います。また、遊んでいる途中に思いついた新しい工夫やオリジナルのルールを提案する時にも、伝えたいことを言葉で説明する機会に直面しますよね。この際にも、お子さまは楽しみながら言葉を使う練習をしていると言えます。
教室では、伝えたいことはありそうだけど、うまく説明しきれていないお子さまの姿が見られた時には、一緒に遊んでいる職員から仲介をすることがあります。

「こういう意味で合っている?」「このカードを引いたら、どういう効果があるんだっけ。」とお話をしながら、その場にいるお子さまが共通の意識で遊ぶことができるようにしています。
ルールや考えたことが伝わり、一緒に遊べた!という満足感を得ることで、語彙力や説明力を伸ばすための意欲を培うこともできるのではないでしょうか。楽しみながら言葉の力を養い、言葉の幅や表現力が向上することで、日常生活やコミュニケーションにも役立つ力が身に付きますね。
さいごに
相手のことを考えて、思いが伝わるように話すのは難しいことですが、普段の生活に目を向けるだけでその力を伸ばす機会はたくさん見つけられると思います。
今後も、教室に通うお子さまとともに、楽しく成長できるようサポートしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

**********
こだわり、学習遅滞、不登校、多動、注意散漫、音に敏感など、お子さまの発達・成長・学力でご不安なことがありましたら、ご相談ください。
- 見通しを立てるのが苦手
- こだわりがあり、思うように作業を進めることができない
- コミュニケーションを取ることに苦手さがある
- 語彙力が少なく、読解や作文が苦手
- 周囲が気になり集中できない
- 集中しすぎて後で疲れてしまう
放課後等デイサービス オレンジスクールあざみ野教室
【TEL】045-532-3738
【MAIL】azamino@orangeschool.jp
************