「を」と「お」の間違いはなぜ起こる?
こんにちは!オレンジスクール鶴見教室です。
秋が深まり徐々に寒くなってきました。服装はセーターやコートも見られ始めていますが、子どもの中には半袖半ズボンの子も見られます。季節の変わり目は、体調を崩しやすいので注意していきたいですね(^ ^)
本日は、学習支援の「書く」ことについてのご紹介です。
助詞の使い分けができない
学習障害(LD)を抱える子に見られる間違いとして、文を書いていると助詞を間違えてしまう、というものがあります。
- 「わたしは、〜」→「わたしわ、〜」
- 「がっこうへ、いく」→「がっこうえ、いく」
- 「パンを、たべる」→「パンお、たべる」
間違えやすいのは、なんとなく理解できますが、すぐに覚えてしまう子もいます。
苦手な子は、何が原因なのでしょうか?
視覚と聴覚
これらの子どもの間違いを考えるときに、「視覚優位」と「聴覚優位」という特徴で考えるとわかりやすいです。
- 「視覚優位」→目から入る情報で考えることが得意
- 「聴覚優位」→耳から入る情報で考えることが得意
「視覚」と「聴覚」の2つの力は、人間誰しももっている力です。
しかし、発達に困難を抱えている子は、この2つの力がどちらかに偏っていることが多いと言われています。
この助詞の間違いを、視覚と聴覚の観点から再度考えてみます。
耳で覚えている
「お」と「を」は、音が同じですが、形は異なります。
実は、聴覚優位の子は、耳で聞こえた音で考えたり、覚えたりすることは得意ですが、同時に、「音が同じだけど、形が違う」というものは間違えやすい傾向があります。
視覚と聴覚の力を平均的に有している子は、文を読んでいるときに「お」と聞くと「お、を」が両方イメージをもって頭の中で浮かべて、どちらに当てはまるか考えます。
しかし、聴覚優位の子は音の情報の記憶が強く、頭の中で「お、を」の形を思い出すことが苦手なため、結果的に「パンお、〜」と書いてしまうのです。
どうすればいいのか?
学習支援では、子どもの得意な力を活用して支えることが重要と言われます。
特に、視覚と聴覚は学習で最も使う力なので、活用法を考えていきたいものです。
例えば、聴覚優位の子には、ただ助詞の練習プリントを渡すだけでなく、
「これは言葉をつなげる、くっつきの『を』です。」
と教えながら解いてもらうと、類題を解く時に「くっつきの『を』」という音声を思い出して正しく書けるようになっていきます。
ただ回数を繰り返すのではなく、得意な力を考えて学習支援を考えると子どもの負担が少なくて済みます。
最後に
発達に困難を抱えた子は力の凸凹が大きいので、苦手な力を使った学習になると、どうしても習得が遅れてしまいます。
これは、努力や回数では克服できない問題ですので、本人にとっては大変辛い時間となります。
しかし、本人はなぜできないのかわからないので、支援者がその子の力を理解してサポートしてあげることが必要になります。
今後も職員一同、困り感のある子を支えるために、学び続けていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
お子さまの学習やコミュニケーションに悩みを抱えていることなどありましたら、お気軽にご相談下さい。
今後も子どもたちにとってよりよいサービスを提供できるよう引き続き精進してまいります。よろしくお願いします。
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