
どうして熱中症になるの?~水分補給効率アップで予防しよう~

みなさんこんにちは!オレンジスクール鶴見教室です。
じめじめとした梅雨も明け、いよいよ本格的な夏がやってまいりました。
教室に来られるお子さまも連日の猛暑により、到着されると「暑いな~!」と仰ってクーラーの近くの席で休憩をされたり、うちわやネッククーラー等の冷却アイテムをご持参したりしているため、お子様達が過ごしやすいよう、ご様子を見ながら室温の調整や、適宜水分補給のお声かけをしております。
さて、毎夏の高気温による心配事といえば様々ありますが、やはり「熱中症」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
近年、猛暑日(最高気温35℃以上)と呼ばれる日数は増加していて、消防庁が発表した「熱中症による救急搬送人員」は、過去5年の調査の中で2024年が最多となりました。(文字に『東京消防庁の熱中症統計資料』を添付しています。)
先日の報道でも6月に熱中症として救急搬送された人数が集計を開始した2010年以降最も多いことが分かり、年々暑さが厳しくなっている様子が伺えます。
そこで今回は、「熱中症を発症する原因」と、「適切な水分補給」についてご紹介していきたいと思います。
※お先に『水分補給』に関する記事をお読みになりたい方はこちらからお進みください。
熱中症を発症する原因について

普段、私たちは暑さを感じると、自然と汗をかきますよね。
人は体温上昇が起こると皮膚の温度を感じ取る神経から、脳の「視床下部」という部分に暑さの伝達が行われます。
そこから全身へ「暑い!体温を下げて!」という指令を出すことで発汗が促され、汗が皮膚の表面で蒸発すると同時に熱も一緒に奪っていきます。
この仕組みによって、上がりすぎた体温も効率よく下げることができるのです。
しかし、この「視床下部」が体の不調によって働きが弱まってしまうと指令がだんだんと追いつかなくなり、その結果体内の熱が外に排出されずこもってしまうことで熱中症と呼ばれる症状を発症してしまいます。
熱中症は、以下の原因から引き起こされることが多く、複数が重なった際には発症のリスクがさらに高まります。
【気温や天気に関係すること】
高気温:運動をするときに25℃以上であれば適宜休息を取り入れましょう。31℃以上は安静時でもお気を付けください。
多湿:湿度が65%を超えると汗をかいても蒸発しにくくなるため気化できず熱が体内にこもりやすくなります。
風:風に当たることでも汗と共に熱を奪って下げられるのですが、風がないまたは体温よりも熱い風を浴びることで皮膚温度は上昇してしまいます。
気温の変化が大きい:体が暑さに慣れていない状態で高気温にさらされてしまうと体温を調節する機能の働きが鈍り、体に負担がかかります。
【体調に関係すること】
脱水:水分不足によって全身へ流れる血液の流れが悪くなることで頭痛やめまいを感じたり、体内の水分バランスが崩れて筋肉の痙攣や痛みを感じたりしてしまいます。
寝不足:疲労の回復が間に合っていないと自律神経が乱れ、体内のさまざまな機能がうまく働かなくなるため体調不良を起こしやすくなります。38~40℃のぬるめのお湯に就寝の1~2時間前に入浴すると深い睡眠をとることができます。
乳幼児:新陳代謝が活発であることから汗や排泄物から水分を失いやすいです。体温を調節する機能も未発達なため熱を下げることに時間がかかります。
【運動や習慣に関係すること】
激しい運動:内臓がよく働く体温は37℃以下と言われています。激しい運動によって体温が上昇しすぎないよう室内で活動したり冷却アイテムを適宜使用したりしましょう。
長時間の屋外活動:小さなお子さまは大人よりも体表面積が大きいため、外気の影響を受けやすく深部からの体温が上がりやすい傾向があります。帽子や日傘を使用しつつ日陰で休憩するタイミングを定期的に作りましょう。
水分補給のタイミング:一度にまとめて水分をとっていませんか?理想の補給量は1時間~2時間ごとに200mlです!一度に大量に飲むよりもこまめにとるほうが体が効率よく水分を吸収してくれます。
また、上記の原因によって、以下のような不調があらわれましたら、それは熱中症かもしれません。
これって熱中症かも?初期症状一覧
・頭痛
・めまいや立ちくらみ
・顔のほてり
・筋肉痛やこむら返り
・体のだるさや吐き気
上記に加えて「どれだけ拭いても汗が止まらない」ことや、反対に「汗をかきそうな状況であるのに全くかいていない」こと等も体内で脱水が起きているため不安な状態です。重症化するとけいれんや意識障害などといった症状が現れる場合もあるため、体が発するサインを見逃さないようにすることが大切です。もし違和感を感じた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
熱中症予防への第一歩は「効率的な水分補給」から!

夏の水分補給というと、「水分」と一緒に「塩分」の補給を思い浮かびますが、みなさんは、ある「もう一つ」の栄養素を一緒に摂ると、もっと効率よく体に吸収されることを知っていましたか?
その答えは、、、「糖分」です。
水分は摂取されると、胃から腸へ運ばれ、小腸で水分を吸収します。そのときにナトリウム(塩分)やブドウ糖(糖分)を取り込むことで、より体液に近い水分として腸が吸収できるため効率が上がるのです。
ただ水を飲むだけ、あるいは塩分だけを摂るよりも、適量の糖分をあわせて摂ることで、腸が水分を吸収しやすくなり、体の中にしっかりと水分を留めてくれるという良いとこ取りな組み合わせなんです!
また、水分補給のタイミングについては【運動や習慣に関係すること】の部分でお伝えしましたが、体を動かす場合には運動する30分前くらいにコップ1杯分(200ml程度)を摂取して水分を蓄えておくのがおすすめです。動いているときは20分に1度は摂ることができると安心です。活動終了後も必ず水分を補給をするようにしましょう。
【熱中症おすすめドリンク】
スポーツドリンク: 市販のスポーツドリンクは、この水分・塩分・糖分のバランスが考えられて作られています。ただし、糖分が多いものもあるので、分量に気を付けて摂取しましょう。
経口補水液: 熱中症だけでなく胃腸炎や高熱での脱水症状から回復したいときにも有効です。発汗量がかなり多い場合、嘔吐・下痢で体がつらいときにより効率的に水分・電解質を補給することができます。こちらは予防としてではなく、症状が出た際に摂取する飲み物としてご紹介しております。教室でも、熱中症等による脱水症状に備えて、経口補水液をご用意しております。
自家製ドリンク: スポーツ用と日常で糖分を控えたい場合など必要なシーンに分けて手作りドリンクを試してみてはいかがでしょうか?
※スポーツ用
冷水 500ml (氷を使用する場合は水と合わせて500mlになるように調整してください)
天然塩 1g
砂糖 20g (きび砂糖、三温糖等でも可)
手軽に効率の良い水分補給ができます。お好みでレモン汁などを加えると、さらに飲みやすくなります。詳しい作り方はこちらからどうぞ。(THERMOS WEBマガジン参照)
フルーツや野菜ジュース: フルーツや野菜から自然由来の糖分、水分、ミネラルを補給できます。特に「キウイフルーツ」は、熱中症対策として効果のあるビタミンCや汗をかいたときに出て行ってしまうミネラルを補うことができるのです。また「バナナ」にもカリウムという筋肉の収縮や神経伝達を助けてくれる成分が含まれているため、そのまま食べても良いですし、スムージーやジュースとして摂取するのもおすすめです。
定期的に水分を補給してほしいけれど、ほかのことに夢中でつい「忘れがち」になるお子さまには、補給の習慣づけとして、起床時、食事前後、運動前後、入浴前後、寝る前など飲むタイミングを決めたり、時間に限らず「のどが乾いたら飲むよ」というメモなどを目の付きやすいところに張ったりして、いつでも確認しやすいよう工夫してみるのも良いかもしれません。
おわりに
今回は「熱中症を発症する原因」と、「適切な水分補給」についてご紹介しました。
夏休みは暑さに加えてたくさんのイベントに参加する機会が増えることもあるため、どうしても疲労がたまってしまいがちになるかと思います。
お休みできるときに十分な休息をとって楽しく元気に乗り越えられるようどうぞみなさんご自愛ください!
鶴見教室では今後も、お子様に寄り添った支援を行ってまいります。
お子様のこだわり、学習遅滞、不登校、多動、注意散漫、音に敏感、コミュニケーション等に関することで、お悩みや不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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