「療育×学習」「療育×発達」により、一人ひとりに寄り添った支援・教育を行います。

オレンジスクール

今日の藤沢教室(放課後等デイサービス)

視覚優位ってどういうこと?

みなさんこんにちは、オレンジスクール藤沢教室です。

今回のブログでは「視覚優位」という特性について、またその特性に合わせた支援についてお話させていただきます!


視覚優位とは

お子さんの発達検査について検査者からフィードバックを受けた際に、「視覚優位」という言葉を聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。

そうでなくても発達に関する書籍や多くのサイトで「視覚優位」という言葉が用いられているかと思います。

視覚優位とは、「目から入ってきた情報を処理する力が、耳から入ってきた情報を処理する力よりも強い」という特性を指します。

私たちも普段生活する中で、「口頭指示の方が動きやすい(聴覚を使った情報の処理)」「書面で指示を貰えた方が動きやすい(視覚を使った情報の処理)」など、自分に合った働き方ややり取りの形が自然と形作られています。

こちらが全く覚えていない風景を細かいところまで記憶していたり、人の顔をすぐに覚えるなど、目で見て覚える力の強さが伺えるエピソードのあるお子さんは、もしかすると視覚優位という特性を持っているのかもしれません。


視覚優位のお子さんに生じやすい困りごと

先程視覚優位について、「目から入ってきた情報を処理する力が、耳から入ってきた情報を処理する力よりも強い」と説明をしました。

つまり視覚優位であるということは、耳から入ってきた情報を処理することが相対的に苦手、あるいは難しいということになります。

では、実際にどのような困りごとが生じることがあるのか、いくつか説明させていただきます。


①口頭でのやり取りが続くと混乱してしまう

特に体育の授業や運動系の部活動では、指導や指示のために言葉を介したやり取りが頻繁に行われます。

「〇〇を△△して、その後に▢を…」と複雑な指示が続いていくと、何が大切なことなのか、優先順位はあるのか、はじめに何を言われたのかなど、お子さんの頭の中で整理がしきれずに混乱してしまうことがあります。

指示を出した側から「はじめから終わりまでしっかりと説明をしたのに」と思われてしまうことも少なくなく、結果として言うことを聞かない、無視しているなどお子さんが意図していない評価をされてしまうこともあります。


②しゃべりの多い授業だとついていけない

先程は屋外の活動について説明しましたが、室内でも聴覚処理が苦手であるが故に困難が生じることがあります。その1つがしゃべりの多い授業です。

科目に関わらず、学校での授業は担当する先生によってその実施形態が異なります。黒板に重要な情報を書き出していき、口頭ではあくまで解説のみという先生もいれば、黒板はほとんど用いらず、教科書を見ながら解説を進めていくという先生もいます。

私たちも学生時代、先生によって分かりやすい、分かりにくいといった相性が少なからずあったかと思います。

視覚優位と言われるほどに得意、苦手のあるお子さんの場合、先生ごとの授業の実施形態の違いが成績に大きな影響を与えることは少なくありません。


③目に入るものが多いと集中することが難しい

①、②では聴覚を用いた情報の処理が苦手であるが故に生じる可能性のある困りごとについて説明をしましたが、③は視覚を用いた情報の処理が得意だからこそ生じる困りごとと言えます。

視覚を用いた情報の処理が得意であるお子さんの中には、目に入ったものを次々に情報として取り入れてしまい、結果として集中ができなかったり、疲れてしまう人がいます。

例えば自宅で勉強を行う場合、机に開いた教材のほかに目に入るものとして以下のようなものが挙げられます。

  • マンガや雑誌、本
  • テレビの映像
  • 家の前を通る人や車
  • お菓子や食べ物
  • 家族の動き      など

お子さんにもよりますが、こうした視覚的な誘惑や学習に関係のない動きが多いとつい他のことをはじめてしまったり、学習へと意識を向けるためにより深い集中が必要になることがあります。


周りの人ができる事

先に紹介させていただいた困りごとに対してどのような関わりかけができるのか、いくつかご説明させていただきます。

①大切な情報は紙に文字で書いたり図にして示す

視覚優位という特性を持ったお子さんは、目でみた情報を整理する力が長けています。そのため、重要な情報は紙に書き、またより目に留まりやすいような工夫を行うと情報の処理を行う上での助けになるかもしれません(例:太字にする、赤字にするなど)。

また、文字だけではなく図で必要な情報を提示することが効果的な場合もあります。体育などで体の動きを伝える際には人体が描かれた図を用いたり、人形を使って説明を行うことでお子さんが情報を処理しやすくなることがあります。


②集中を向ける対象以外の物を極力減らす

視覚優位のお子さんが目の前の物事に集中できないとき、お子さんの周りに目線を奪われるものが多いことがあります。

床に落ちているものやゲームを片付けるといった対応ももちろん効果的ですが、片付けるスペースがない場合は布などで対象物を覆うだけでも効果がある場合があります。

本棚を布で覆う、カーテンを閉じるなど、できるだけ目に入るものを少なくすることで視覚的な刺激を減らすことは、お子さんの集中を手助けすることに繋がるかもしれません。


まとめ

視覚優位、聴覚優位という特性は単なる得意不得意だけではなく、情報を得る方法ごとに発揮されるポテンシャルが大きく異なるため、お子さん自身も「なんで口での説明は全く理解できないんだろう」「文字ならできるのに」とやるせなさや無力感を抱えることが少なくありません。

視覚優位に合わせた支援を行うことは、お子さんの学習のしやすさだけではなく、「できた!」という自信にも繋がっていきます。

オレンジスクール藤沢教室も、お子さんが自信をもって学習に取り組めるような教材作りの工夫を今後も行っていきたいと思います。

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