APD/LiDを知ろう
みなさんこんにちは。オレンジスクール藤沢教室です。
今回はAPD/LiD(聴覚情報処理障害/聞き取り困難症)についてお話させていただきます。
【はじめに】
APD/LiD、と聞いて、あまり耳馴染みのない言葉だと感じる人も多いかと思います。
この概念は日本でここ数年の間に注目されている概念であり、現在も診断基準や定義について活発な議論が行われています。
このAPD/LiDの特筆するべき特徴として
「聴力検査は正常、でも状況によっては難聴と似た聞き取りづらさが生じる」
というものがあります。
APD/LiDの症状が生じる場面は個人差がありますが、ほんの一部の例として
- 人の声でざわざわとしていると言葉が数文字抜け落ちて聞こえる。
- 複数人で会話をすると言葉を満足に聞き取ることができない。
- 音を聞き取ることはできるが、意味を理解する前に消えてしまう。
- 早口言葉が聞き取れない。
- 聞きながらノートが取れない。
- 長時間の会話に強い疲れを感じる。
などが挙げられます。
検査は正常なのに特定の場面では困難が生じてしまう。それゆえに発見が遅れてしまい、周りから
「無視するから感じが悪い」「やる気がない」
と誤解されたままになっていることも少なくありません。
また、APD/LiDはその「なんとなく声が聞き取れない・意味がわからない」という状態が本人にとっての当たり前になることから、本人が周囲と比較して言葉を上手く聞き取れていないことに気が付きにくい、という点も悩みに繋がりやすいと言われています。
【コミュニケーション面の支援について】
APD/LiDの方はそうであるからと言って人と話すことが嫌いであったり、意欲がないわけではありません。
このような困難を抱えている方がどのようにすれば安心して人とコミュニケーションをとることができるのか、支援者としてできることをご紹介いたします。
①静かな環境を用意する。
APD/LiDは、ざわざわとした人の声だけではなく、ドライヤーや掃除機など、大きな音が出る家電によって症状が出る場合もあります。
会話や大切な話をする際には、できるだけ部屋を分ける、机の位置を音の発生源から遠ざけるなど、不必要な音から物理的に距離を置くことによってAPD/LiDの症状を和らげることができます。
②大事なことははっきりと繰り返し伝える。
APD/LiDの症状が出ているときに耳にした言葉は、所々抜け落ちて聞こえていたり、意味のあるものとして受け取れないことも多いです。
一度伝えるだけで「伝えたから」と話すことをやめるのではなく
- 大切なことははっきりと話す。
- 聞こえやすいペースや声量を意識する。
- 繰り返し伝える。
このような工夫をすることによって、相手に内容がしっかりと伝わるだけでなく、「聞き逃してしまうかもしれない」というAPD/LiDの方の不安を和らげることができます。
③伝えた内容について確認をとる
こちらから伝えた内容がしっかりと相手に伝わっているか、話し手側の主観ではなく、聞き手の立場に立って確認を取ることもAPD/LiDによって生じるコミュニケーションの行き違いを解消する手段の一つです。
今の会話がどのような内容であったのか復唱してもらう、メモを取ってもらい、それを確認するなどの対応をとることによって、お互いの認識にズレがないかが明らかとなり、安心してその後の活動に移ることができます。
適切な支援を行うことによって会話への自信の無さや抵抗感を低減させていくことは、相手の言葉に集中して耳を傾ける習慣を作るための重要な足掛かりとなります。
聞くことに苦手を感じやすいAPD/LiDの方の中には、これまでの経験から人とのやり取りに不安を抱いていたり、会話に消極的になっている人もいます。
周りの理解がある環境で意思疎通の成功体験を積むことは、当事者の困り感を減らすだけではなく、周りに「こうしてほしい(こういう配慮をしてほしい)」と発信を行う練習をする機会に繋がるかもしれません。
【最後に】
APD/LiDは最近注目されはじめた障害である分、まだまだ周囲の理解や協力が得られにくい状態にあります。
まずは私たち一人一人がAPD/LiDという言葉を知っていくことが、当事者の方々やそのご家族を孤立させない重要な取り組みであると言われています。
直接支援を行うだけではなく、情報を発信していくことでオレンジスクール藤沢教室も地域の一資源としての役割を果たしていけたらと思います。
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