指示が通らないお子様に対して
「聞いたことを忘れてしまう」「話かけても反応が薄い」など、お困りなことはないですか?
身支度の手順、ゲームのルール理解、様々な場面で必要になる『指示をきいて行動する』能力は、
日常生活において備わっておきたい力ですよね。
今回は、指示を理解してスムーズに行動に移せるようになる課題を紹介したいと思います。
なぜ指示理解でつまずいてしまうのか
指示が通りにくい原因として考えられるのは
・理解できる言葉が少なく、話している内容を理解できずにいる。
・一度に複数の指示を提示され、覚えることが難しい。
・周囲の音が気になり、指示に集中することが難しい。
・自分に必要な情報なのかが分かっていない。
となります。
それらは、目や耳からの情報を短期的に保持し、
同時に処理するワーキングメモリの力が不足していると言えるでしょう。
ワーキングメモリ
ワーキングメモリとは、作業記憶や作動記憶とも呼ばれ、
会話や読み書き、計算などの基礎となる、日常生活や学習を支える能力のことです。
この働きにより、何かを聞いたり見た瞬間に適切な判断ができます。
このワーキングメモリ自体を鍛えることは難しいとされていますが、トレーニングを行うことにより使い方を覚え、
結果的にワーキングメモリの向上につながるとされています。
●ワーキングメモリの向上が期待できる方法
・後出しじゃんけん
目からの情報を記憶し、そこから「何を出せば勝てるか」を考え、判断するため、
ワーキングメモリ向上につながります。
・適切な睡眠を行う
睡眠不足が続くとワーキングメモリが低下するため、適切な睡眠を取りましょう。
睡眠時間が短すぎるとワーキングメモリが必要とする前頭前野を含めた脳全体の働きが悪くなってしまいます。
幼児から小学生で1日9~11時間前後の睡眠が必要だと言われています。
・絵本の読み聞かせを行う
絵本の読み聞かせは、読み手の声を聞きながら絵本を見て、受け取った情報を処理する能力を必要とします。
素話のように音の情報を頼りに頭の中で映像化することで情報処理能力を養うこともできます。
指示を聞きやすくするために
当教室で行っている取り組みをご紹介します。
・聞く耳を作る
①静かな環境を作り、視界に入る物の量を減らし刺激を少なくしておく。
②「○○くん/ちゃん」と名前を呼んでから話しかける。
・分かりやすい言葉で、短く的確な指示を出す
・絵や写真を提示して、視覚化をする
・複数の指示がある場合は、一つずつの行動を終えてから伝える
・話した内容を再度確認をする
お子様自身が話している人に対し、集中して「聞く耳」を作れていることが大切です。
また、お子様の理解に合わせた活動を行うことで、指示が通りやすくなります。
次は、指示を聞いて取り組む課題を二つ紹介いたします。
・形、色、大きさ仕分け
指示されたお題を聞き、指定されたそれぞれのお皿に入れていく課題です。
例えば、「赤色の形を左、青色の形を右にいれてください。」と指示を行います。
お子様のレベルに合わせて、口頭のみや、文字を提示して取り組んでいます。
形の大きさも大小あり、初めは、同じ大きさの物だけを提示するようにし、
少しずつ色、大きさが違う形を混ぜ合わせ提示していきます。
・指示を聞いて貼ろう
「ブタが三角のピンクの屋根のお家にいます。」「ぞうが四角い緑の屋根のお家にいます。」
と指示を聞き、当てはまる動物をお家に貼っていく課題です。
「誰が、どこにいる」という文の組み立て学習にも繋がります。
二つの課題を紹介しましたが、一回の指示から、目と耳からの情報を頼りに選んでいくため、
集中力、注意力も養われていきます。
まとめ
当教室では、日頃から話している人に気付くことができるよう、指導員が話し始める際、
「今からお話しします」
「手はおひざ」
などと声を掛けて話を聞く姿勢を促しています。
分からなくなってしまった時には、
「教えてください」や「分かりません」などと自分から声を掛けられることも大切にしています。
また、工作や集団遊びでのゲーム活動の際は、
行程を一つずつ伝えお子様の理解度に合わせた取り組みを行っています。
今後も就学に向けて必要な力を身に着けていけるような支援を行っていきます。
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児童発達支援 オレンジスクールピコ 溝ノ口教室
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