こだわり行動への関わり方
発達に偏りが見られるお子様によく見られる行動のひとつに「こだわり行動」というのがあります。
この「こだわり行動」はときに日常生活に困難さが生じてしまうことがあります。そのような場合、私たちはどのように対応すればよいでしょうか。
こだわり行動とは
こだわり行動は知的障害や発達障害がある人に多く見られるといわれていますが、必ずしも診断がつく人だけに見られるとは限りません。
白石(2013)はこだわり行動を以下のように定義しています。
「ある特定の物や状況に著しい執着を示し、それを常に一定の状態に保っていようとする欲求に本人がかられた結果、それが変わること、変えられることを極度に嫌うようになり、行動面において反復的な傾向があらわになること」
こだわり行動には、
・指先が汚れるのを極端に嫌う。
・偏食がある。
・飛び跳ねたり、ぐるぐると回る(感覚遊び)。
・駅名や電車など、特別な知識の習得に没頭する。
・勝ち負けにこだわる。
・同じ洋服を着たがる。
・予定が変わると癇癪を起す。
・ルールに厳しい。
などがあります。
こだわり行動の原因?
これらのこだわり行動は、特定の感覚への過敏さや、環境変化に対する柔軟な対応や思考の切り替えの苦手さなどが影響し、常に一定の状態を維持し続けたい気持ちの強さから現れることが多いそうです。
また専門的な知識の習得や、環境変化への気づき(観察力)など周囲よりも秀でる側面がある一方で、偏食や服装へのこだわりなど養育者にとって対応が難しい側面があります。
「わがまま」との違い
こだわり行動を「わがまま」と評価してしまうことがよくあります。
本人にとっては安心や安定を求める行動であるのに対し、周囲の人は「好きなことしかやらない。」「言うことを聞かない。」と見てしまうことがあるため注意が必要です。
本人なりのマイルールを知っていき理解のズレを埋めていく姿勢が大切です。
そのためには本人の行動を観察してみることから始めると良いと思います。
「どうしていつも同じ遊びばかりするのだろう?」
「どうして同じ本ばかり読むのだろう?」
「どうして何回も同じことを繰り返すのだろう?」
など、ひとつひとつの行動に対して疑問を持ってみると少しずつ本人の行動の理由が見えてくるかもしれません。
社会生活へつないでいく
最終的には自立して生活できるようになってほしいですよね。
そのためには変化に対応できるよう生活の幅を広げていくことが大切です。
周囲の人はこだわり行動を無理やりやめさせようとするのではなく、本人の考えや気持ちに対して共感したり認めてあげるような言葉がけを心掛け、行動を切り替えることができたときにはすかさずその努力を褒めてあげましょう。
また、目標となる行動を目指すときには本人のペースを尊重しスモールステップで慣らしていきましょう。
本人が納得する形で行動の幅を広げていくことが何よりも大切です。
オレンジスクールピコでは
たとえば「学習中にお絵かきを始めてしまった時」には、
・「一生懸命頑張って少し疲れたよね。」と本人の努力を認め、
・「最初に○○分までって約束したけど続けられそう?」と声掛けをし、
・切り替えられた時にはすかさず「切り替えられたね。かっこいいよ!」と褒る。
・時間が長い場合は少しずつ集中できる時間を伸ばしていく。
などのような関わりのなかで療育を実践していきます。
無理強いはせず、本人のペースを尊重するなかで成功体験を積み重ねていきます。
「この行動を何とかしたい。」
「どのような声かけをすればいいにかわからない。」など、
お子様の成長で気になるところがありましたらご気軽にご相談ください。
引用参考文献
白石雅一(2013)「自閉症スペクトラムとこだわり行動への対処法」東京書籍
児童精神医学に基づく乳幼児の発達障害「解体新書」
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